ヤクルトの5年目、奥川投手は、2年目にチームトップに並ぶ9勝を挙げ、日本一にも貢献するなど先発陣の一角として活躍しましたが、その後、右ひじや足首、腰など相次ぐケガに悩まされ、おととし3月以降2年余り、1軍のマウンドから遠ざかっていました。

奥川投手は14日夜のオリックスとの交流戦に臨み、初めてエースナンバーの18番を背負って先発登板しました。

奥川投手は立ち上がりから毎回のようにランナーを背負いましたが、ストレートは150キロを超えるなど力があり、要所では持ち味のスライダーが決まって、序盤は無失点でしのぎました。

4回にオリックスの杉本裕太郎選手に甘く入った速球を運ばれてソロホームランを浴びましたが、5回79球を投げてヒット7本、三振3つ、フォアボールなしの1失点にまとめてマウンドを降りました。

打線は3回までに4点を奪い、7回に1点差まで追い上げられましたが、リリーフ陣がなんとかリードを守りきって5対3で勝ち、奥川投手は2021年10月以来980日ぶりに白星を挙げました。

奥川投手は試合後、時折涙を浮かべながら取材に応じ「久しぶりの登板だったので、いままでにないくらい緊張していた。ずっとリハビリをしてきて、きょうの登板もすごく緊張した。内容はいいものではなかったが、チームのみんなに助けられて、こうして勝利投手にしてもらって、うれしかったし、勝てたことにほっとしている」と話しました。

また、ショートに長岡秀樹選手、セカンドに武岡龍世選手と同期入団の2人が守っていたことに触れ、「自分が苦しいときに後ろを見渡したら同期の2人がいて、ほかの先輩方もいて心強かったし、この人たちと一緒なら大丈夫だろうと思って投げた」と仲間への思いも口にしました。

そして「この2年間携わって支えてくれた人たちのためにも勝ちという形でなんとか恩返ししたいと思ったので、少しは恩返しできたのかなと思う。投げている最中はしんどかったしつらかったが、それでもマウンドに立っていることが幸せだったし楽しかった」と話しました。

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