第106回全国高校野球選手権石川大会(朝日新聞社、県高野連主催)の開幕に向け、審判の講習会が9日、金沢市の県立野球場であった。

 大会に参加予定の43人がベテランの審判から指導を受けた。小松と小松商の部員たちも協力し、投球だけでなく、盗塁、併殺、挟殺、本塁上のクロスプレーなど、さまざまな場面を再現。「大きな声とジェスチャーで」「ボールを見やすい場所で」と、指導する声が飛んだ。審判たちは状況判断の大切さを学びながら、「タイムをかけるのは判定した後で」「アイコンタクトをして他の審判をカバーして」といった助言も受け、真剣な表情で聴いた。

 今夏のデビューを目指す新人は3人。理学療法士の谷内大輔さん(24)は穴水高校で一塁手だった。昨年から1年生大会などで審判の経験を積んできたが、講習を受けて「ひとつのミスで結果が変わってしまう。もっと視野を広くしないといけない」と感じたという。能登半島地震の影響で、母校も含めた能登の球児たちは練習もままならない日々が続く。「晴れの舞台を踏む選手たちに信頼され、貢献できるよう、しっかり準備して臨みたい」

 投手が投球動作の途中で上げた足を上下するなどの「2段モーション」が今年から解禁された。県野球協会の毛利浩太郎審判部長(64)は「選手たちの思いに応えられるよう、平常心を失わずに正確なジャッジをしてほしい」と話した。

 石川大会は28日に組み合わせ抽選会があり、7月11日に開幕する。(樫村伸哉)

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