2023年9月にあったパリ・オリンピック予選東京大会のブラジル戦でスパイクを打つ古賀紗理那選手(右)=国立代々木競技場で2023年9月24日、和田大典撮影

 北九州市で開催されているバレーボールのネーションズリーグの福岡大会。日本は、すでにパリ・オリンピック出場を決めて勢いに乗る男子に続き、女子が今大会の結果次第となる五輪出場権の獲得を目指し、12日からの試合に臨む。メンバーには主将で熊本県大津町出身の古賀紗理那選手(28)=NEC=をはじめ九州出身の7選手が名を連ね、「九州から世界へ」と地元の期待が高まっている。

 ネーションズリーグはバレーボールの世界3大大会の一つで、九州では初開催。北九州市の西日本総合展示場で男子(4~9日)と女子(11~16日)の試合がある。女子の日本代表は12日の韓国戦▽13日のカナダ戦▽15日のセルビア戦▽16日の米国戦――があり、結果を踏まえた6月17日付の世界ランキングで五輪の出場が決まる。

 主将の古賀選手は小中学校時代に大津町でバレーボールに励み、熊本信愛女学院高(熊本市)に進んだ。町生涯学習課でスポーツ振興を担当する樋口謙吾さん(49)は「先輩の世界での活躍は地元の子どもたちの希望だ。町ぐるみで応援したい」と話す。

九州ゆかりのバレーボール女子日本代表メンバー

 町はスポーツイベント誘致などスポーツを生かした地域振興を進めており、2022年にスポーツ庁の表彰を受けた。古賀選手らがパリ五輪出場を決めた場合はパブリックビューイングなど関連イベントを開いて盛り上げたいといい、樋口さんは「主将としてぜひパリ五輪出場を成し遂げてほしい」と活躍を祈る。

 九州はバレーボールが盛んだ。Vリーグ女子の久光スプリングスは佐賀県鳥栖市に拠点を置き、今大会の代表メンバーのうち西村弥菜美(みなみ)(24)▽平山詩嫣(しおん)(23)▽荒木彩花(22)▽栄絵里香(33)▽渡辺彩(33)――の5選手が所属する。渡辺選手を除く4選手の母校は東九州龍谷高(大分県中津市)で、「春高バレー」で過去7度の優勝の実績がある。

 他にも、田中瑞稀選手(28)=JT=が九州文化学園高(長崎県佐世保市)、オクム大庭冬美ハウィ選手(25)=日立=が博多女子高(福岡市)といった春高の歴代優勝校でプレーしていた。

 福岡県バレーボール協会によると、九州では高校体育連盟(高体連)による中学、高校を連携させた強化・育成が奏功し、選手層が厚いという。

 バレーボール漫画「ハイキュー‼」の人気もあり、最近は男子選手への注目が高まっているが、同協会の西祐司理事長は「女子もパリ五輪に出場できれば子どもにも人気が出るチャンスになる。九州初のネーションズリーグなので、選手には元気や勇気を与えてくれるような素晴らしいパフォーマンスを期待している」と話す。

 ネーションズリーグの日本戦のチケットは男子はすでに完売し、女子も残りわずかだ。県内では関連イベントが予定され、福岡市博多区の商業施設「ららぽーと福岡」では代表選手らのサイン入りボールや等身大パネルを16日まで展示。また、北九州市小倉北区の試合会場に隣接した「あさの汐風公園」では試合日に合わせてグッズ販売やバレーボールの体験ブースを設けている。【池田真由香、平川昌範】

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