【茨城トヨペット-日立製作所】最後の打者を一ゴロに打ち取り、拳を握って喜ぶ茨城トヨペットの中島(左から3人目)ら=群馬・太田市運動公園野球場で2024年6月7日午前11時13分、田内隆弘撮影
写真一覧

 第95回都市対抗野球大会(日本野球連盟、毎日新聞社主催)の2次予選・北関東大会は7日、群馬・太田市運動公園野球場で第2代表決定トーナメント2回戦を行った。茨城トヨペットは、先発・中島悠貴が日立製作所を5安打1失点に抑えて勝利。茨城日産は九回、田中悠也の適時打などで日本製鉄鹿島に逆転サヨナラ勝ちした。勝った2チームは8日に同3回戦で顔を合わせる。41回目の本大会出場を目指した日立と、23回目の出場を目指した日鉄鹿島はいずれも敗退が決まった。【田内隆弘】

 茨城トヨペットの左腕・中島悠貴が、最後の打者を力ない一ゴロに仕留めた。一塁手が自らベースを踏むのを見届けると、1失点完投勝利に拳を強く握った。「後ろの投手を信頼して、体力が続く限り、名門相手に全力勝負するつもりだった」。132球を投げきり、晴れ晴れとした笑みだ。

 打線もチャンスを逃さなかった。日立の左腕エース岡直人に対して六回、2死一、三塁から武藤健の左前適時打で先制に成功。続く大松将吾は3ボールとなったが、野口裕貴監督からは「四球はいらない。ストライクを取りに来たら、お前が決めろ」。その指示通り甘く入った直球をたたくと、2者を還す右中間二塁打になった。バッテリーを組む相棒の殊勲打に、中島は「入社2年目の同期なので奮起してくれたのかも。打ってくれて助かった」と感謝した。

 「100回やっても勝てないと言われた日立に勝てるなんて……。歴史を変えてしまった。満足な練習環境を整えられないなか、よくやってくれた」。試合後、野口監督の目は涙で潤んだ。しかし、大会は続く。「ここで燃え尽きてはいけない。なかなかないチャンスを生かしたい」。創部以来初の東京ドームへ、あと2勝だ。【田内隆弘】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。