川勝知事の辞職に伴う静岡県知事選に、15日、前浜松市長の鈴木康友 氏が立候補を表明しました。既に立候補を表明している元副知事の大村慎一 氏とともにリニア新幹線に関しては“推進派”を強調しています。

鈴木氏「経済効果を発表すれば理解進む」

静岡県の川勝平太 知事の辞職に伴う県知事選挙で、前の浜松市長の鈴木康友 氏(66)が15日、立候補することを正式に表明しました。「『オール静岡』で混迷した県政を立て直したい」と意気込みを語りました。

鈴木康友 氏:
これは「やります」というスローガンです。今回、県知事選挙出馬にあたり、もう一度原点に立ち戻り「やります」の精神で、これからの県政のかじ取りをしていきたい

知事選への立候補を表明した鈴木康友 氏は、これまで衆議院議員を2期、浜松市長を4期務めていて、現在はコンサルティング会社を経営しているほか山梨県の顧問も担当しています。

15日の会見で、鈴木氏は「これまでの豊富な経験や知見、ネットワークを生かし県内すべての地域の良さを引き出しながら混迷した県政を立て直したい」と意気込みを語りました。

鈴木康友 氏:
知事の急な辞職に伴っていま県政は混迷をしておりますが、これをしっかり立て直し静岡県が持つ素晴らしい資源を活用して、東部・中部・西部 オール静岡で静岡県の発展に全力を尽くしていきます

また、リニア新幹線については「環境面との両立を図っていく」と述べた上で「推進派」の立場を示しました。

鈴木康友 氏:
私はずっと推進と表明していたので、そのスタンスは変わりません。『これだけの経済波及効果を静岡県内にもたらす』と(JR東海が)発表すれば県民の理解も進むと感じている

鈴木氏は会見のあと県議会の各会派を訪問したほか、自民党県連や連合静岡などに推薦願を提出しました。

大村氏「国家的プロジェクトなので…」

一方、すでに知事選への立候補を表明している元副知事の大村慎一 氏(60)は15日に自らの政策を発表し、リニア新幹線の建設について「関係者と対話をしながら前に進めていくことが重要」と述べました。

大村慎一 氏は、4月12日に知事選への立候補を正式に表明し、総務官僚として長年培ってきた地方行政の経験を活かし、オール静岡で県政の課題解決に取り組むと語っています。

大村慎一 氏:
非常に短い選挙戦になるので、できる限り皆様の意見を吸収していきたい。そして、私のやりたいことと整合させていきたいと思っています

大村氏は15日の会見で自身が取り組む11項目の政策について説明し、この中でリニア新幹線については推進の立場を明確にした上で、水資源や南アルプスの環境などについて点検し対話を続ける必要性を強調しました。

大村慎一 氏:
地元の意見をしっかり踏まえた上で前に進めていくことが非常に重要ではないかと。(リニア建設は)国家的プロジェクトですので、国のしっかりとした対応・関与が大事。そういう中で、私はこちらからも提案をしながら建設的に議論を進めていきたいというスタンスです

また、大村氏は教育分野には人材が必要だとして、デジタルを活用し、県内の各大学と連携した「静岡デジタル大学」を創設してデジタル人材や国際的な人材教育を進めていく方針を示しました。

さらに、南海トラフ地震を想定した防災対策や危機管理対策について県と市町が連携した備えが必要との認識を示しています。

渡辺周 衆院議員は立候補断念

知事選には立憲民主党の渡辺周 衆議院議員も立候補に意欲を見せていました。

しかし、泉代表から「国政にとどまってほしい」と慰留されたことを受け「引き続き国政に専念します」と自身のSNSに投稿し、立候補しない考えを明らかにしています。

支援の動きなどを含めて判断したとみられます。

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