県内の空き家の数は5万2700戸。総務省が5年に1度行う「住宅・土地統計調査」によりますと、前回調査の2018年に比べ17.1%増加しました。これは統計が残る1958年以降で最多です。空き家が増え続けると、景観や治安の悪化に加え災害時の救助や復旧の妨げになるともいわれ、「空き家」は全国的な問題になっています。県内の空き家解体現場から現状を取材しました。
        
福井市の下森田町で、空き家の解体作業が行われていました。県外に住んでいるこの家の持ち主は、今回土地を売ることが決まったため解体を依頼しました。
  
福井市が2022年に行った調査によると、空き家とみられるものは1929件で、そのうち倒壊の危険があるものが90件ありました。

なぜ、空き家が増え続けるのか。福井市では「高齢者の世帯が増えている。昔であれば3世代同居などが多かったが、単身世帯が増え、その分住宅が増え続けているのが原因」と話しています。
  
増える空き家問題に歯止めをかけようと、国は2023年12月に法律を改正しました。空き家対策特別措置法です。これまでは「特定空き家」と呼ばれる倒壊寸前の空き家のみ勧告処置がとれましたが、今回の快晴で「管理不全空き家」にも勧告をできることになりました。
 
法改正で行政側が指導できる空き家の範囲が広がったのです。これを機に、空き家の持ち主と解体業者を仲介する会社では、1.2倍から1.3倍に相談件数が増えたといいます。相続したがどうしてよいか分からない。実家が遠方にあってどうしたらよいのか分からないという相談が多いそうです。
   
福井市では、空き家の解体費用の補助や空き家バンクに登録された家の購入への補助、空き家をリフォームする際の補助など様々な制度を導入していますが、予算には限りがあり、利用には条件をクリアしないといけないこともあり、ハードルは低くはありません。また、空き家になってすぐの物件は放置されがちなので、それが改善できる補助金も必要です。さらに、行政が力を入れている様々な制度などの認知を広げていくことも大切です。
 
福井市は空き家の持ち主に対し、今後も適正な管理や補助制度の周知などを進めたいとしています。    

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