閣議後記者会見でNHKへの抗議の意図を説明した盛山正仁文部科学相=東京都千代田区の文科省で2024年5月24日午前9時13分、斎藤文太郎撮影

 盛山正仁文部科学相は24日の閣議後記者会見で、中央教育審議会の特別部会が取りまとめた教員確保策の提言を巡るNHKの報道に対して文科省がホームページ上で公表した抗議文について「多面的、公平、公正な報道をお願いした」と述べ、報道機関に対する圧力には当たらないとの見解を示した。

 盛山氏は過去にも報道機関への抗議や要請はあったとし、「我々の思っていることと違う報道がなされた場合、あるいは事実誤認があった場合には報道機関に連絡している」と述べた。文科省の考えと異なる報道をした場合に抗議するという趣旨にも受け取れる発言だが、会見直後に担当者が「(省と)違う意見かどうかではなく、多面的に報じてもらいたいということだ」と意図を説明した。

 特別部会は13日、教員確保策の提言を取りまとめ、残業代を支払わない代わりに一律支給される教職調整額の引き上げを含む教員の処遇改善のほか、働き方改革の加速、学校の指導・運営体制の充実を一体的に進めるよう文科省に求めた。NHKは同日夜、教職調整額が存続することについて「『定額働かせ放題』枠組みは維持」などと報道した。

 NHK広報局は取材に対し「ニュースでは(教職調整額を規定した)教員給与特別措置法について原則残業を命じないとされている点が明記されたことも伝えており、『一面的だ』という指摘はあたらない」などとコメント。圧力ととらえたかどうかは明確にせず「不偏不党の立場を守りながら公平・公正、自主・自律を貫いていくということに変わりはない」とした。【斎藤文太郎】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。