自民党派閥の政治資金問題を巡り、野党側は23日、衆院政治倫理審査会でまだ弁明していない稲田朋美元防衛相について審査会で弁明する意思があるとみなした上で、審査会への出席を前提にした質問要旨を提出する方針を示した。

衆院の政倫審は、派閥の政治資金パーティーに関する報告書への不記載があった議員のうち、まだ弁明をしていない安倍派と二階派の44人に対し、出席と説明を求める議決をしたが、自民党は21日、各党に対し、“出席の意向を示した議員はいなかった”と伝えていた。

ただ、立憲民主党の寺田学筆頭幹事によると、幹事のみ閲覧が許された出席の意向を確認する文書44通のうち、稲田氏の文書には「貴審査会に出席し、弁明の機会をいただく必要はないと考えている」とする一方、「仮に貴審査会から説明が足りないのでさらに説明するように求められれば、委員各位の質問に答えることを拒むものではない」と記されていたという。

寺田氏は23日の政倫審の幹事懇談会後、記者団に対し「普通に読めば政倫審において委員からの質問を受けて説明をするという意思を表したものである」との解釈を示した上で、稲田議員から指定のあった24日正午までに、質問要旨を提出する方針を示した。この質問に対する回答について寺田氏は「当然ながら政倫審が開かれて、答えられるべき」と述べ、文書の回答ではなく審査会を開きの稲田議員が弁明する形で行うべきだと要求した。

ただ自民党側は稲田氏に弁明の意向はないとして、政倫審出席に否定的な意向を示している。

政倫審の議決には強制力がなく、今後の審査会については与野党で引き続き協議することになっているが、稲田議員を含め審査会で新たな議員の弁明が実現する見通しは立っていない。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。