能登半島地震からの復旧・復興が柱です。石川県は一般会計で742億円あまりとなる6月補正予算案を発表しました。

記者:
補正予算の編成にあたった知事の思いをお聞かせください
馳知事:
復活と希望であります

予算案の県民へのメッセージを「復活と希望」だと述べた馳知事。

21日に発表した6月補正予算案は一般会計で約742億345万円。このうち393億円あまりが能登半島地震からの復旧・復興にあてられました。

具体的には地震による液状化で被害を受けた住宅や宅地について地盤の改良や傾斜の修復などへの費用を補助します。また災害関連死や孤独死を防ぐため仮設住宅などにデイサービスや被災者同士が交流できる拠点の整備を支援します。なりわいの再建については被災した事業者に対して仮設の施設整備などに最大300万円を補助するほか、被災した酒蔵と共同で醸造を行う酒蔵への支援などが盛り込まれました。また能登半島地震の初動対応を検証するため、4700万円を計上しました。

馳知事:
まさか元日にこれほどの大規模な地震となるとは誰も想定していなかったと思いますが、この石川モデル・能登半島モデルを瞬時に活用してもらいたいと思います。反省も含めてねこれは私どもに課せられた使命です。

県では今年度中に検証結果を取りまとめるということです。

県の6月補正予算案は今月28日に開会する県議会に提出されます。

今回の6月補正予算について解説します。県が21日に発表した6月補正予算案は約742億345万円。当初予算からの累計は1兆1843億円と過去最大規模です。

今回の予算の柱はなんといっても能登半島地震からの復旧・復興です。

まず県は地震による液状化で大きな被害を受けた住宅と宅地について新たな支援制度を創設しました。

まず宅地です。地盤の復旧や改良などについて1200万円までの工事を上限に最大766万円が補助されます。一方、住宅の建物については、耐震改修などをした場合に最大150万円が補助されます。つまり、宅地の復旧と住宅の耐震化を両方行う場合はあわせて最大916万円が補助されることになります。

このほか、地震で大きな被害を受け、営業を停止している七尾市ののとじま水族館。残念ながらジンベエザメなどが死んでしまったほか、飼育していた多くの生き物が他の水族館などに今は避難しています。

今回の補正予算では、生き物の確保などに2500万円を計上し営業再開に向けた準備を加速します。そして準備の整った施設から夏休み前の営業再開を目指すということです。

そして今回は、地震対応を優先するため当初予算で見送った大規模プロジェクトの予算も盛り込まれました。

施設の老朽化による建て替えが決まっている社会福祉会館については金沢西高校の第2グラウンドを移設し、その跡地に整備します。一方で馳知事は会見で「財政状況を考えれば一気にはできません優先順位をつけました」と述べていて、大規模な予算編成で県の財政調整基金が大幅に減少したことから緊急性の高いプロジェクトなど優先度の高いものを今回の予算に盛り込んだと説明しました。そのため、今回は県西部緑地公園や県消防学校の再整備については本格的な着手を見送っています。

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