ポスト岸田としての期待の声も上がる上川陽子外相の「この方をうまずして何が女性でしょうか」という発言が波紋を広げている。すでに発言は撤回したが、その真意はどこにあったのだろうか。

18日、上川大臣が静岡市で行った県知事選の応援演説で、上川外相は「ようやく決断していただきました。大きな命を預かる仕事であります。その意味で今、1歩を踏み出していただいたこの方(候補者)を、私たち女性がうまずして、何が女性でしょうか」発言した。

集まった女性支持者を前に、候補者への支援を呼びかけたこの発言に、聴衆からは大きな拍手がわきおこり、上川大臣は続けて、自身の初出馬を振り返り、「実は私も初陣のときに、本当に皆さんに 『うみの苦しみにあるんだけど、ぜひうんでくださいね』と最後の演説で申し上げたんですが、いつも彼(候補者)のことを思うと、その場面がバーっと頭によぎってくるんです。うみの苦しみは、きょうは男性もいらっしゃいますが、本当にすごい」と演説した。

この発言に対し、立憲民主党の蓮舫議員は、SNSで「女性は『産む』との前提。『比喩』だとしても、もう、やめてほしい。本当に痛い」と批判した。

批判を受け、上川大臣は19日、自身の発言について、「女性のパワーで私という衆議院議員を生んで、誕生させてくださった皆さんに、いま一度、皆さんの女性パワーを発揮していただき、知事を誕生させようという意味で申し上げた。私の真意と違う形で受け止められる可能性があるという指摘を真摯(しんし)に受け止め、このたび撤回させていただきたい」と準備した紙を読み上げる形で発言を撤回したが、記者からの質問には答えず、小走りでその場をあとにした。

その後、岸田首相は「発言を撤回されたと報告を受けている。誤解を招く表現、これは避けるべきであると私も思う」と述べた。

上川大臣の今回の発言について、前後の文脈を見てもらったうえで、街の人はどう受け止めたのだろうか。

30代女性「この言葉を何で言おうと思ったのかなというのが一番の疑問」
40代女性「うむのが女性でしょと言いたいんだと思うんですけど、表現の仕方とか、この時代の世間の見方とか、そういうものに合っていなかった」

「発言は問題だ」とする意見が多く聞かれた中、発言の前後を見たことで印象が変わる人も。

50代女性「女性に対しての蔑視発言のように思ってしまったので『うわっ』というのが第一印象でした。(前後の)文章を読んでから『うわっ』ていうのはなくなりました。どんな方にもわかりやすい言葉遣いというか、そういう表現をしていただけたらなと期待しています」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。