小池知事は自身の進退をまだ明らかにしていない(17日、都庁)

任期満了に伴う東京都知事選は6月20日の告示まで1カ月となった。現職の小池百合子氏は3選を目指すかどうか態度を明らかにしていない。野党が擁立を目指す統一候補も決まっておらず、小池氏の去就次第で選挙戦の構図は大きく変わる。

都知事選は7月7日に投開票される。5月20日時点で広島県安芸高田市の石丸伸二市長らが立候補の意向を示している。

小池氏は自らの去就に関し明言を避けている。17日の記者会見で「いま現職として目下の課題にしっかりと取り組んでいる。それ以上でもそれ以下でもない」と述べるにとどめた。

小池氏の周辺では出馬するとの見方が強まっている。5月29日に開会する6月定例都議会の会期中か閉会後に今後の方針を表明するとみられる。

自民党は4月の衆院3補選で不戦敗を含め全敗するなど党勢低迷が続く。首都決戦で敗北すれば、岸田文雄首相の政権運営への逆風が強まるのは避けられない。

地域政党「都民ファーストの会」の特別顧問を務める小池氏との対決を回避し、独自候補の擁立を見送る公算が大きい。

2023年来、自民党都連会長を続ける萩生田光一前政調会長の地元など都内の地方選で小池氏と共闘してきた経緯がある。引き続き小池氏との連携を模索するとみられる。

都知事選と同日に8つの都議補選も投開票される。都民ファとの競合が予想される選挙区もあり、自民都連が小池氏側と協議を続けている。

自民党は16年都知事選で当時の菅義偉官房長官らが増田寛也氏を擁立したが、小池氏に惨敗した。前回20年の都知事選でも自民都連が対抗馬の擁立を模索したものの、最終的には見送って自主投票とした。前回選の小池氏の得票率は6割近くに達した。

都知事選や都議選で自民党が敗北した結果、ときの政権が厳しい局面に追い込まれた過去がある。今回の都知事選で有権者がどういう判断を示すのかは9月の党総裁選や次期衆院選などの国政とも密接に絡み合う。

立憲民主党や共産党は統一候補の擁立をめざし、市民団体と候補者選定委員会を2月に設けた。5月1日には4回目の選定委を開き、候補者を数名に絞った。選定作業を進め、月内に一定のメドをつけたい考えだ。

都政は課題が山積している。都市間の国際競争を勝ち抜く経済活性化策や、首都直下地震に備えた防災対策の強化などを迫られており、争点になるとみられる。

【関連記事】

  • ・石丸・安芸高田市長「東京の過密解消」 都知事選出馬へ
  • ・小池都知事「予算実行に集中」 3期目の対応明言せず

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。