キーワードを足がかりに2024年の秋田県内の出来事を振り返る企画、今回のキーワードは「審判」です。全国最年少市長の誕生に、自民党に強い逆風が吹いた衆院選など、秋田県内の政治の動きを振り返ります。
〈大館市長選〉
9月に行われた前市長の辞職に伴う大館市長選挙は、元大館市議会議員で27歳の石田健佑氏が、新人による三つどもえの戦いを制して初当選。現職で全国最年少の市長が誕生しました。
〈衆院選〉
「今年の漢字」に「金」を選んだ理由の一つとして挙がったのが、自民党派閥の裏金事件。政治とカネを巡り、自民党に厳しい意見が相次ぎました。
こうした中、新しい総理大臣に就任したのが石破茂氏。就任後すぐに衆議院を解散しました。
自民党に強い逆風が吹く中で行われた衆院選は、県内3つの小選挙区に11人が立候補しました。
自民党は秋田1区で冨樫博之氏が議席を守り切ったものの、2区は立憲民主党の緑川貴士氏が連続で議席獲得。3区は国民民主党の村岡敏英氏が県内で党として初めて、そして自身初めての選挙区での議席を獲得しました。
自民党の選挙区議席が1議席となったのは、旧民主党が政権を獲得した2009年以来15年ぶりです。
県内すべての選挙区で次点候補が比例代表東北ブロックで復活当選。秋田県関係の衆院議員は、解散前より1人多い6人になりました。
国民民主党の村岡敏英氏は、衆議院農林水産委員会と議院運営委員会に所属しています。
村岡敏英氏:
「前回、比例で当選したときも農林水産委員会に所属していたが、安全保障委員会や経済産業委員会に行って質問している。それは引き続き、どの委員会に行っても、しっかり地域から聞いた声と課題を訴えていきたい」
比例復活で初当選した自民党の福原淳嗣氏は、総務委員会と財務金融委員会で活動しています。
福原淳嗣氏:
「市長時代は他人事として自民党と距離を置いて批判だけをしていたが、今度は当事者になるので、政治改革、経済対策も含め、積極的に議論の中に入って政策を作っていく、礎を築く、その役割を果たしていきたい」
県内は2025年、多くの選挙を控えています。
〈県知事選〉
特に注目が集まっているのは4月の知事選挙。現職の佐竹敬久知事は出馬しない意向です。
知事選には12月17日時点で、県議会議員を辞職した鈴木健太氏(49)と、副知事を辞職した猿田和三氏(61)の2人が立候補を表明しています。
鈴木健太氏は神戸市出身。陸上自衛官を経て、2015年に県議選・秋田市選挙区で初当選しました。
11月に3期目の途中で県議を辞職。今は地盤の秋田市で集会を重ねています。鈴木氏は「広く知ってもらうこと」を課題に挙げていて、年明けには活動を県内全域に広げます。
鈴木健太氏:
「秋田市外、県北県南に関しては認知度が低いと思っている。顔と名前を多くの人に知ってもらい、できれば語る会に来てもらって何を考えているか伝えたい」
同じく11月に副知事を辞職した猿田和三氏は秋田市出身。1988年から県職員を務め、産業労働部長などを歴任。2021年に副知事に就任しました。
現在は、県内各地のイベントや集会に参加するなどして、戦いに向けた準備を進めています。
猿田和三氏:
「できるだけ多くの皆さんの応援・支援をいただいて、初めての選挙なので、皆さんからの支援体制を構築できるように頑張っていきたい」
鈴木氏は、年明けにも自民党を離党する意向ですが、これまで党の一員として様々な活動を担ってきました。
一方、猿田氏は、後継指名はないものの、自民党が連携してきた佐竹知事の考えを継ぐ方針です。
自民党県連は、知事選で鈴木氏か猿田氏のどちらかを支援する考えで、2024年中にも方針を決めるということです。
また、立憲民主党県連は、知事選で独自候補者の擁立を目指しています。
〈秋田市長選〉
知事選と同じ4月6日に投開票される秋田市長選には、5期目を目指す穂積志市長が立候補を表明したほか、県議の沼谷純氏が出馬を検討しています。
〈参院選〉
そして、夏には参議院議員選挙が控えます。現職の寺田静氏は、年明けには態度を表明するとしていて、元職の中泉松司氏は、自民党の公認を得て出馬する意向です。
〈市長選・町長選〉
2025年はこのほか、13の市長と町長が任期満了を迎えます。
誰が今後のかじ取りを担うのか。私たち県民は様々な考えを見聞きし、“投票”という形で意思を示す必要があります。
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