犯罪対策閣僚会議で発言する石破首相(中央、17日午前、首相官邸)=共同

石破茂首相は17日、首相官邸で開いた犯罪対策閣僚会議でSNSを通じて犯罪の実行犯を募る「闇バイト」による強盗事件などへの緊急対策を指示した。「仮装身分捜査も活用した徹底的な取り締まりをする」と語った。

闇バイトの取り締まりを強化するため警察官が身分を偽り犯罪組織に接触する「仮装身分捜査」の早期実施を盛り込んだ。現行法の範囲内で実施可能なあり方を検討する。

闇バイトの募集情報が掲載されるSNSへの対策として①プラットフォーム事業者にアカウント開設時の本人確認の厳正化の要請②関連ガイドラインにSNSでの募集は違法と明記③警察庁のホットラインセンターの体制増強――などに取り組む。

首相は「闇バイトの募集は犯罪の実行者を募集するもので投稿自体が犯罪だ」と強調した。SNS事業者に違法な投稿や広告を削除するよう求める。

注意喚起のため若者に訴求力の高い著名人に闇バイトの危険性に関する投稿を要請する。インターネット広告を活用するなど犯罪に巻き込まれないよう周知する。

防犯カメラの増設に向けて、地方創生などの交付金で地域防犯力の強化を後押しする。政府としてカメラの増設が可能な場所を整理し、データの保存期間が十分な防犯カメラの設置を促す。

11日に自民党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会(高市早苗会長)が首相に緊急提言を渡した。高市氏は「現行の範囲内でできる緊急対策を中心に取りまとめた」と語った。

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