政府は地方創生政策を検討する有識者会議の初会合を開いた(29日、東京都千代田区)

政府は29日、地方創生施策を議論する有識者会議の初会合を内閣府で開いた。経済界や労働界の代表者のほか、30歳代の女性町長や地域に根差した企業の若手経営者などが加わった。

会議の名称は「新しい地方経済・生活環境創生会議」。出席した伊東良孝地方創生相は「石破茂首相は地方が活性化しなければ日本全体の活性化はないとの強い思いで有識者会議を立ち上げた。忌憚(きたん)のない意見を出してほしい」と述べた。

有識者からは「地方は若者と女性の働き方を変えないといけない。性別役割分業もひどく、男女間賃金格差も大きい」との指摘があった。

座長には日本郵政の増田寛也社長が就いた。連合の芳野友子会長や愛媛県の中村時広知事も参加した。2018年に31歳で初当選し、当時の全国最年少町長となった新潟県津南町の桑原悠町長や、福島県内のベンチャー「陽と人」の小林味愛代表取締役らも名を連ねた。

増田氏は2014年に民間組織「日本創成会議」の座長を務め、自治体の半数が「消滅可能性都市」と指摘するリポートが話題となった。それをきっかけに安倍晋三政権が地方創生相のポストを新設し、石破首相が初代の地方創生相に就いた経緯がある。

事務局による説明で、地方創生の課題として東京一極集中が挙がった。東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は転入者数が転出者数を上回り、23年の転入超過は11万人を超え7割を20代前半が占めた。男性よりも女性が地方から流入している。

11月上旬に開いた閣僚会議の初会合で、首相は地方創生を再起動するため「地域で頑張っている方々など現場の声をよく聞き『基本的な考え方』を年末までにまとめたい。若者や女性にも選ばれる地域をどうつくるかが極めて重要だ」と訴えた。

有識者会議の意見をふまえ、年末の基本的な考え方や25年にまとめる基本構想に生かす考えだ。

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