南米などを歴訪中の岸田首相は、最後の訪問地ブラジルのサンパウロで中南米向けの政策スピーチを行い、「人間の尊厳」を重視した日本と中南米の新たなパートナーシップを訴えた。
同行しているフジテレビ政治部・福田真子記者が報告する。

日系人が世界で最も多い街サンパウロで日本の首相として10年ぶりに行った中南米政策のスピーチは、キーワードを「道のり」とし、中国を意識したものとなった。

岸田首相「わたしたちの協力は、世界に向けて明るい『未来』への『道のり』を光で照らすものです。分断・対立ではなく協調へ。経済的威圧などは到底認められるものではありません」

岸田首相は、スピーチの中で「人間の尊厳」や「法の支配」の価値観を共有し、世界をリードすることを呼びかけた。

さらに、中南米への影響力を強め、威圧的ともされる中国を念頭に「力や威圧ではない、信頼関係に基づく経済関係が公正な豊かさにつながる」と指摘し、協調に基づいた日本と中南米の連携を訴えた。

岸田首相は、現地の日系社会の代表者とも面会し、同行筋は「日系人が中南米との橋渡し役を担ってくれている」と関係強化に期待を示している。

ただ、ブラジルとの共同声明では、中国について直接的な言及を避けるなど中南米諸国との温度差も垣間見え、岸田首相が目指す「道のり」が実際に実行できるかが今後の課題となる。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。