現職と新人の一騎打ちとなった新見市長選挙は、11月17日に投開票が行われます。歯止めがきかない人口減少や赤字の公共交通の問題など、深刻さが増す市の課題をまとめました。

岡山県北西部の山間部に位置する新見市。合併した2005年の人口は約3万6000人でしたが、現在は約2万6000人と約3割減少しました。市内に公立の大学がありますが、若い世代の減少が深刻です。2020年から30年間で20歳から39歳の女性が半減すると推計された「消滅可能性自治体」にも選ばれています。

人口減少に伴って公共交通の維持が難しくなっています。

市内と広島をつなぐJR芸備線です。市内を走る区間は1日の利用者が平均で88人、100円の収入を得るために2843円かかります。2024年3月には、芸備線の存廃を議論する再構築協議会が全国で初めて設置されました。

住民の足を守りたい市などに対し、議論を進めたいJR西日本と溝は深く、国が行司役を務めますが議論の停滞が懸念されています。

市長選に立候補したのは、いずれも無所属で届け出順に現職で再選を目指す戎斉さん(68)、新人で元新見市議会議長の石田實さん(68)の2人です。

(戎斉候補<無・現>)
「人口減少を解決するために人、物、金が流入するまちへ転換を図る。全庁横断的な施策に取り組んでいる。いくつか結果や芽も出始めている。さらに充実していきたい」

(石田實候補<無・新>)
「一つずつ解決していきたい。自主財源の少ない新見市。国、県の事業を持って帰らないといけない。首長は国、県に通って営業する。交付金、補助金を持って帰る。それが仕事」

投票は11月17日に行われ、即日開票されます。

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