2025年夏の東京都議選に向け、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が地域政党の結成を表明した。7月の都知事選で小池百合子氏に続く次点に食い込み、存在感を高めた。「石丸新党」が多くの候補を擁立すれば選挙の構図にも影響しそうだ。
「都議になろうという方、興味関心のある方は準備を始めておいてください。ぜひ一緒に東京を動かしましょう」。12日に配信したユーチューブ番組で石丸氏はそう呼びかけた。12月に記者会見を開き、候補者の公募要件や政策を発表する。
石丸氏は都知事選で小池氏の291万票に次ぐ165万票を獲得した。共同通信社の出口調査によると無党派層の投票先は石丸氏がトップだった。ネットでの注目度は今なお根強く、都議選でも無党派層の受け皿の一つになる可能性がある。
東京や大阪では教育、福祉など住民に身近な問題に取り組む地域政党の存在感が大きい。橋下徹氏が大阪府知事時代に結成した大阪維新の会、小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会が代表格だ。両党とも首長と二人三脚で政策を実現し、支持を集めてきた。
石丸氏がどのような争点を打ち出して都議選に臨むかは未知数だ。都民フ幹部は「石丸新党が対抗軸を示せるか疑問だ」とけん制する。一方で「無党派層の取り合いになれば脅威となり得る」(別の都民フ都議)との警戒感もにじむ。
都議会立憲民主党の幹部は「既成政党に嫌悪感を持つ有権者が、目新しい石丸新党に流れる懸念がある」と話す。都議会の任期満了は25年7月22日で次の選挙まで1年を切った。石丸新党が本格的に参戦すれば、各党の選挙戦略にも影響しそうだ。
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