自衛官の処遇改善に関する関係閣僚会議で発言する石破首相(8日午前、首相官邸)

政府は8日、首相官邸で防衛力強化に必要な自衛官の処遇改善などを議論する閣僚会議を開いた。自衛官の担い手不足を解消するため関係省庁が検討している対応策を議論した。危険が伴う任務を踏まえて、手当の充実や給与体系の見直しなどを提起した。

議長を務める石破茂首相は、慢性的になりつつある自衛官の定員割れについて「放置していいと全く思っていない」と述べた。早期に具体的な対策を取りまとめる方針を確認した。年内に基本方針を策定し、2025年度予算案に関連経費を反映する。

会合では①処遇改善②勤務環境の改善③新たな生涯設計の確立――の3本柱を中心に、対応策の検討状況を関係省庁から聞き取った。

給与面以外では叙勲の授章対象者を広げたり、退職後の再就職先を増やすために国家・民間資格を取得する手続きを簡素にする案を示した。隊舎に個室を導入し、Wi-Fiなどの通信環境を整える策も検討する。

首相は会合で「成果をきちんと検証していかなければならない」と指摘した。

自衛官は24年3月末時点で定員の1割ほどの欠員が生じている。23年度の中途退職者数は6200人ほどで、19年度から3割超増えた。採用想定人数に対する充足率も23年度は過去最低の51%だった。

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