トランプ氏の大統領への再選確実を受けて、多くの米軍基地を抱える沖縄県にはどのような影響が考えられるのか、識者の見解を取材しました。
国際政治学を研究する沖縄国際大学の野添文彬教授です。
野添教授は、トランプ氏が大統領に就任することで、沖縄の基地負担の軽減は期待できないとの見解を示します。
沖縄国際大学野添文彬教授:
「トランプ政権のもとで中国との経済的な競争であるとか、軍事的な対立はさらに深まる可能性があるので、沖縄の負担軽減という事についてはますます油断できないそういった状況が続くと思います」
アメリカが対中国を意識した戦略に力をいれる中、2022年日本政府は新たな防衛戦略に向けて安保3文書を改定。海洋進出を強める中国を念頭に南西地域の防衛力強化のための南西シフトを推し進めています。
沖縄国際大学野添文彬教授:
「そういう中で沖縄に自衛隊がさらに増強されるとか、自衛隊と米軍との共同演習がさらに拡大するとか、そういう風な負担増という事が警戒される事ではないかと思います」
また、野添教授はトランプ氏の政治動向は予見が難しいと前置きしたうえで、東アジアの情勢にも変化が見られる可能性を指摘します。
沖縄国際大学野添文彬教授:
「アメリカが台湾防衛のために軍事的に関与するのかという事に関しても、バイデン大統領はアメリカは軍事的に関わるんだと言ったわけですけども、(トランプ氏は)それよりかはかなり消極的な姿勢を見せているように考えられる。かといって台湾を巡って米中関係が安定するかと言えば、そういうわけでもない。これも非常に波乱含みと言いますか、懸念される事が多いような気がします」
自国ファーストを明言するトランプ氏。野添教授は、アメリカと中国との大国の狭間の沖縄の状況は、厳しい立場に置かれるのではないかと懸念しています。
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