岸田文雄首相の経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会開会式での基調演説要旨は次の通り。

【日本の経済政策】

日本は新しい資本主義を提唱し、コストカット型から成長型経済への移行を目指している。賃上げや設備投資を一層加速させ、日本の稼ぐ力を復活させる。人工知能(AI)、自動運転、宇宙、中小企業の海外展開への支援を強化する。

【経済安全保障】

経済的威圧への対応、サプライチェーン(供給網)強化、重要技術の保護を通じ、経済安保確保のための協力強化が必要だ。先進7カ国首脳会議(G7サミット)の成果を共有し、同志国・機関との連携を推進する。

【AI】

生成AIのルール形成の枠組み「広島AIプロセス」の成果も踏まえ、安心、安全で信頼できるAIの実現に向けて議論する。プロセスの賛同国拡大へ「フレンズ(友好国)」会合を立ち上げた。AIがもたらす人類共通の機会とリスクについて、共通の志を持つ国が連携しよう。

信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の具体化も前進させる。

【OECD】

国際社会が多極化や分断、紛争に直面している。「共通の価値」を持つOECDが非加盟国に手を差し伸べることが重要だ。日本はアジア地域との架け橋となり、OECDが将来にわたり世界経済を主導するための貢献を果たす。

(パリ=共同)

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