石破茂首相は11月後半に訪米し、5日の米大統領選で選出される次期大統領との会談を検討していることがわかった。複数の政府関係者が1日、明らかにした。首相は11日召集の特別国会で首相に再任されれば、15~19日にペルーとブラジルでそれぞれ開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)と主要20カ国・地域(G20)の首脳会議に出席する予定で、ブラジルからの帰国途中に米国に立ち寄ることを想定している。
トランプ前大統領が初めて選出された大統領選からわずか9日後の2016年11月17日、安倍晋三首相(当時)が南米に向かう途中に米ニューヨークのトランプ氏を訪ね、ゴルフクラブを贈呈して個人的関係の構築に成功。その後の日米関係の安定につながったとされる。
今回の大統領選は、共和党候補のトランプ氏と民主党候補のハリス副大統領が予断を許さない接戦を展開しているが、石破首相としてはどちらの候補が勝利しても早期の会談を実現し、日米同盟の重要性を確認したい考えだ。首相は総裁選で日米地位協定の見直しや「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」を唱え、米側から懸念が上がっていることも踏まえ、不安を払拭(ふっしょく)したい思惑もあるとみられる。
ただ、大統領選は開票結果を巡り混乱も予想されており、首相の帰国前に次期大統領が確定していない恐れもある。調整が難航すれば大統領選直後の会談は見送られる可能性がある。【村尾哲】
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