日本維新の会は大阪の全19小選挙区で初めて議席を独占した。ただ、府外では伸び悩み、全国政党化への課題を残した。
「大阪では受け皿になったが、全国では及ばなかった」。馬場伸幸代表や吉村洋文共同代表らは27日夜、大阪市内のホテルで記者会見に臨み、終始硬い表情で選挙戦を振り返った。
午後9時から始まった会見の冒頭、馬場氏と吉村氏は小選挙区で当選確実となった候補者の札をボードに掲げて写真撮影に応じたが、笑顔はなかった。
維新は今回、「野党第1党」と「与党過半数割れ」を目標に掲げ、全国の289小選挙区中、163選挙区に候補を擁立した。
馬場氏は会見で、「議席数は増えたり減ったりするものだ」と重ねて強調。主要野党の中で維新が独り負けなら執行部の責任を問う声も党内にあり、「右肩上がりは無理だ。そんな政党はない。負け惜しみで言ったり、虚勢を張ったりしているわけではない」と理解を求めた。
2021年の兵庫知事選で維新が推薦した斎藤元彦前知事によるパワハラ疑惑の影響を問われると、「あったかどうか分からないが、私たちはぶれていないし、きちっと対応してきた」と断言した。
吉村氏は選挙戦を「逆風」と表現。「積極的に支持されているというよりは(自民の)裏金のおかしなやり方に対し、大阪では受け皿になり得た。ただ、大阪を一歩外れると、立憲民主や国民民主の方が期待値があった」と総括した。
馬場氏はかつて「第2自民党」を自任し、一時は自公両党と連立政権を組む可能性を排除しない考えも示していた。しかし、この日の会見では「政治とカネの問題がクリアにならない以上は自公与党を信用するわけにはいかない」と述べた。立憲民主や国民民主との連携については、「外交・安保、エネルギー政策、憲法で党内はまとまっていない。そういうところをサポートはできない」と否定した。【東久保逸夫、鈴木拓也】
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