「裏金事件」は投票行動にどんな影響を与えたのか。各地の投票所前で、投票を終えた有権者に聞いた。
自民を非公認となった高木毅氏(68)が立候補した福井2区。これまでは高木氏に投票してきたという無職女性(89)=福井県越前市=は「自分のなかで裏金事件は一番の争点。高木さんがきちんと説明していないと感じ、今回は絶対に入れたくなかった」と語る。そのうえで、知人に勧められた立憲の候補が「熱心に政治に取り組んでくれそう」と感じ、1票を投じた。「高木さんにはもう、引退していただきたい」と怒りを込める。
投票先が愛知3区の会社員女性(30)=名古屋市緑区=も「裏金事件はかなり考慮に入れた」と明かす。前回衆院選は自民の候補に投票したが、今回は「裏金事件をしっかり追及している党を選び、選挙区は立憲、比例は共産にした」と説明した。
投票先が福岡4区のピアノ講師女性(55)=福岡県古賀市=は「裏金事件は自分のなかで大きかった」と語る。前回は自民候補に投票したが、今回は国民民主の候補に入れた。「選択的夫婦別姓を推進していることや、社会保障の問題を考慮した」という。
選挙区と比例代表で投票先が与野党にねじれた人もいる。大学講師の女性(62)=東京都葛飾区=は東京17区で非公認となった平沢勝栄氏(79)に投票しつつ、比例は立憲に入れた。「平沢氏には出直してほしいという期待を込めたが、比例では自民におきゅうを据えるべきだと考えた」とする。
裏金考慮しない有権者も
一方、裏金事件を考慮しなかった人もいる。投票先が東京7区の会社員男性(34)=東京都渋谷区=は「裏金事件も多少は気になったが、かといって他の政党に積極的に投票したいとは思えなかった。石破政権に期待したいと考えた」とし、前回同様に自民候補に票を入れた。行政書士の男性(66)=福岡県行橋市=は、比例重複が認められなかった自民の武田良太氏(56)=福岡11区=に前回に続いて投票した。「候補者がこの地域に対して何ができるかを一番に考えた」と語った。投票先が大阪19区の会社員女性(39)=大阪府泉佐野市=は、前回と同じ自民候補に投票した。「裏金事件は特に考えなかった。今回も候補者のなかで最も良さそうな感じがした」と話した。
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