今回の衆院選では、子どもの貧困対策についても高い関心が寄せられています。
2024年6月の沖縄県の調査では、「生活が苦しくなったと感じる」と答えた人が9割にのぼりました。食料や衣服が買えなかったり公共料金を滞納した経験が「あった」とする回答も増えていて、物価の高騰によって生活への負担が増している現状が浮き彫りとなっています。
これまで多くの困窮家庭と接し、支援を続ける女性に今回の衆院選に対する思いを聞きました。
複雑な事情を抱える女性や、母子家庭を支援する施設を開設したゴージャス理枝さんです。
安全な住まいを提供し、女性を元気にする会のスタッフが関係機関や支援団体などと連携しながら、自立に向けてサポートします。
コロナ禍だった2020年から、困窮家庭に食料支援などのボランティアを続けるゴージャスさん。複雑な家庭環境からひとり親などの枠に当てはまらず、制度の狭間で手当てや補助を受けられない人たちと接し、貧困に喘ぐ状況を目の当たりにしてきました。
そして今、コロナ禍の時期よりも困窮の度合は深刻さを増していると感じています。
▽女性を元気にする会 ゴージャス理枝さん:
「物価高騰しているのに給料が上がらないとか、小さなお子さんがいる家庭では休んでしまうとその分収入が減ってしまう」「出費が多くなってしまえば(生活が)悪化どころか生きていけないですよね」
物価高で食費や光熱費などが軒並み値上がりする中、低所得者層は窮地に追い込まれています。
こうした中、行政がひとり親家庭などを支援する施策などを提供しているものの、情報が十分に届いていないのが実情だとゴージャスさんは話します。
▽女性を元気にする会 ゴージャス理枝さん:
「彼女たちにわかるように届けないと駄目なんですよ。そんな余裕ないから、今日明日生きていくことで精いっぱいの人たちに「検索して情報を調べて」「助成金とか支援金とか調べて」は、無理」
沖縄県では子どもの3人に1人が貧困に陥る中、ゴージャスさんは子どもの貧困は”大人の貧困”でもあると強調します。
▽女性を元気にする会 ゴージャス理枝さん:
「子どもの貧困って大人の貧困なんですよね。お母さんたちがやっぱり自立に向けて一歩踏み出したら、きっとそれを見た子ども達はついていくんですよ。背を見て育つじゃないですか。負の連鎖は途切れるはずなので、お母さん達のサポートは絶対必要だと思っています」
ゴージャスさんは、困難な状況を抱える母親への適切なサポートが負の連鎖を断ち切る糸口になると話し、シングルマザーや女性の支援に取り組む人に一票を託したいと話します。
▽女性を元気にする会 ゴージャス理枝さん:
「子どもの支援に関しての予算は非常に大きいんですけど、やっぱり女性の支援に対してもしっかり予算をつけていただいて、お母さんからもう少し改善できれば子どもたちもきっと改善できると思っています」「一般市民の一人一人に気持ちが行き届く、目が行き届くような社会になってもらえたらなと思っています」
今回の選挙では、候補者がそれぞれの考える子どもの貧困対策を訴えています。
制度の狭間で支援の対象になっていない人たちの声に耳を傾け、助けが必要な人に適切な手立てが届られる社会を実現することが、政治に求められています。
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