27日に迫った衆議院選挙、各党の公約や候補者の訴えをテーマごとに比較しています。今回は「政治改革」についてです。自民党の派閥の政治資金裏金事件を受け、政治とカネを巡る問題は今回の選挙の大きな争点の一つとなっています。
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受けて、旧安倍派の事務総長だった高木候補は、自身の政治資金収支報告書に1000万円余りの不記載があり党から処分を受けました。今回の選挙では公認は得られず、無所属での出馬となりました。
無所属・高木候補:
「皆さま方の、国民の信頼を裏切るようなことはしない。決してしないという固い決意をもって立候補させていただいた」
稲田朋美候補は196万円の不記載があり、今回、党の公認は得られましたが、比例代表での重複は認められませんでした。
自民党・稲田候補:
「事務所で起こったことは全て私の責任。申し訳ありませんでした」
これらの裏金事件を受け、2024年6月に政治資金規正法が改正され、パーティー券購入者の公開基準が「20万円超」から「5万円超」に引き下げられました。裏金に多くの国民が政治不信を抱き、各党は政治の信頼回復に向けた取り組みを訴えています。
政治改革のあり方について各党の公約を見ていきます。
<自民党>
自民党は、党が議員に支給する政策活動費について、将来的な廃止も視野に入れながら透明性を高めるとしています。政治資金の適正な運用を監視する第三者機関の設置も検討しています。
<公明党>
自民党と連立を組む公明党は、党から議員に支給される「政策活動費」を廃止すると訴えています。
<立憲民主党>
立憲民主党は、企業・団体献金の禁止、政策活動費の廃止など、6月に改正された政治資金規正法の再改正を掲げています。
立憲・波多野候補は「裏金で自分のことだけを考えて解散選挙をしている。いまの自民党の政治が庶民の声を拾えているとは思えない」と訴えます。
また、立憲・辻候補も「一生懸命生活をやりくりして、税金払って頑張ってる人たちに対して、脱法・脱税を繰り返して懐にいれて何の説明もせず開き直ってる。許せないでしょ」と訴えます。
<日本維新の会>
日本維新の会も政策活動費や企業献金の廃止を掲げています。また、企業・団体からのパーティー券購入も禁止するとしています。
維新・斉木候補は「パーティー券を買っていない一般の国民も、恩恵に預かれるような政治にしていかなければいけない」とします。
<共産党>
共産党は、政治資金パーティー券の購入を含む企業や団体からの献金を全面的に禁止、政党交付金制度の廃止を掲げています。
共産・金元候補は「企業からお金を受け取らず、団体からもお金を受け取らず、政治資金パーティーも開かない。政党助成金も受け取らない」と訴えます。
共産・小柳候補も「お金によってゆがめられる政治を何としてもなくしたい。根本的な解決の道は企業団体献金禁止しかない」とします。
<国民民主党>
国民民主党は、政策活動費の廃止と政治資金規制法の再改正を訴えています。
<れいわ新選組>
れいわ新選組は、裏金問題を究明する「調査特別委員会」の設置を掲げています。
<社民党>
社民党は、企業献金の全面禁止と政治資金パーティーの廃止を掲げています。
<参政党>
参政党は、政治資金規正法を時代に適合した形で改正するとしています。
参政・田中候補は「企業や団体からの寄付は受け取らないのが参政党」と訴えます。
無所属・西山候補:
「大きな政治改革が必要。政治活動費、寄付金もいらない。今ある政治の構図はすべて改革する」
無所属・山本候補:
「政策活動費は必要ない。政策活動費って一般の人はわからないでしょ。分からないような項目は廃止すべき」
政治とカネの問題を巡り、今回の選挙では、各党の公約や候補者の訴えの中で方針を細かく盛り込んでいます。それぞれの政策で掲げる政治改革も衆院選の大きな争点の
一つです。
※政策活動費とは
政党から議員個人に支給される政治資金で、使い道を公開する義務がないため「ブラックボックス」と呼ばれている。この政策活動費について、公明党、立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組、社民党、参政党は「廃止・禁止」を訴えているのに対し、自民党は、将来的な廃止を念頭に、透明性の確保に取り組むとの記述にとどめている。
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