15日公示の衆院選で、自民党が派閥裏金事件に関係したとして非公認にしたり、比例代表との重複立候補を認めなかったりした候補者のうち、計35人(同日現在)を公明党が推薦した。他党からは、公明が掲げる政治改革に矛盾するとの批判も出ている。
自民が小選挙区で非公認とした12人のうち、公明は三ツ林裕巳氏(埼玉13区)と西村康稔氏(兵庫9区)の2人を推薦。自民が比例との重複立候補を認めなかった34人のうち、公明は33人を推薦した。
背景には選挙区事情がうかがえる。公明の石井啓一代表は比例代表から埼玉14区に転出し、初の小選挙区での戦いとなる。同区には区割り変更前まで三ツ林氏の選挙区だった八潮市と三郷市が含まれており、三ツ林氏との連携を期待する狙いがあるとみられる。
一方、公明は兵庫県内で2区と8区に候補を擁立。今回は日本維新の会の候補との激戦が予想され、西村氏との関係を重視して推薦した可能性がある。
立憲民主党の野田佳彦代表は13日のNHK番組で「(公明は)本気の政治改革というが、非公認の人まで推薦をする。これは明らかに(自民と)共犯だ」と批判した。公明の石井代表は15日、記者団に「地元の党員、支持者が納得しているということを最大限尊重した」と述べ、地元の判断との考えを強調した。【野間口陽】
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