鹿児島市が事務局を務めるおはら祭振興会が、10月開催される2024年の「おはら祭」の踊り連に、旧統一教会の参加を認めない判断をしたことがわかりました。

事務局は2024年、新たに設けられた参加規約に該当すると通知したということですが、専門家はその規約の曖昧さと危険性を指摘しています。

おはら祭振興会では、2023年、旧統一教会=世界平和統一家庭連合鹿児島家庭教会がおはら祭の踊り連として参加したことを巡って、多くの抗議が寄せられたことから、2024年から参加規約を新設し、応募のあった全ての団体の参加可否を審査していました。

鹿児島家庭教会によりますと『参加をお断りする踊り連等』の規約にある「公序良俗に反する行為」に該当するとして1日、振興会から参加を認めない旨を説明されたということです。

川原史行教会長は、「ルール違反をする団体だと決めつけている。納得できない」として市からの通知文書の受け取りを拒否し、公の場での説明を求めたということです。

しかし、振興会の会長でもある下鶴隆央市長はー

鹿児島市・下鶴市長
「規約に基づき審査を行った結果、参加をお断りした団体がある。その団体名については公表されることによって不利益が及ぶ恐れがあることから、おはら祭振興会として公表は考えていない」

参加を拒否した団体名、そしてその明確な理由を回答しませんでした。

鹿児島市・下鶴市長
「その判断根拠、理由について(団体に)充分に説明を行ったものと考えている。今回の審査の判断結果について変更する考えはない」


今回の判断について憲法学の専門家は、参加規約の曖昧さを指摘しています。

注目すべきは、「振興会において参加がふさわしくないと判断した踊り連等」と付け加えられている文言です。

鹿児島大学・渡邊弘准教授
「振興会が『この団体は参加できません』と判断してしまえば、参加を拒否することができる。フリーハンドの範囲が大きい規定でもって表現の自由を制限するということについては、憲法上は疑義があると言わざるを得ない」

さらに祭の事務局を自治体が担っていることから、公共性の観点からも説明責任を果たすべきだとしています。

鹿児島大学・渡邊弘准教授
「実際の審査の内容自体をきちんと公開しない限りは、審査が適正だったかどうか私たちには分からない。断られた団体の側から訴えられても裁判で勝てるようなそういうところまで詰めてきちんと検討して、その規定を作ったのかどうか、そういうところまで広く問題になってくると思う」

2023年の騒動を経て設けられた曖昧な参加規約、その危険性は将来的にさらなる問題を招く可能性もあります。

鹿児島大学渡邊弘准教授
「旧統一教会だけでなく他の団体も同じような曖昧な不明確な規則に従って、判断の過程も分からないままに参加を拒否される危険性がある。市がダメって言えば、振興会がダメって言えば、どの団体でも参加できなくなる、そういう危険性をはらんだ規則になっていることが大きな問題」

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