■「何とか内閣」は55年体制の悪しき遺産

石破新内閣が発足し、新入閣が13人、平均年齢63歳という顔ぶれとなりました。

石破首相は自身の内閣を「納得と共感内閣」と名付けていますが、野党からは厳しい評価が相次いでいます。

立憲民主党は「深く失望 評価できない」とし、日本維新の会は「敵前逃亡内閣」、国民民主党は「議論から逃げる内閣」、そして共産党は「軍事突出内閣」とそれぞれネーミングしました。

2日、関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」に出演した橋下徹氏は、「これからの時代はネーミングはつけちゃいけないと思う」と立憲民主党の野田代表が内閣に名前を付けなかったことに触れ、自身の経験も踏まえて解説しました。

【橋下徹氏】「最初に『何とか内閣』って名付けても意味ないでしょと。政策をやった後に評価したよ っていうのは、多分、野田さんの言い分だと思うんで。僕もよく言われてたんですよ。知事市長をやっていた時に。それは今言わなくても、結果を見て評価してよっていうことを言い続けてたんで」

【橋下徹氏】「維新と国民と共産がなんとか内閣ってこれ55年体制をずっと引きずって、もう変えなさいよと。これは別になんとか内閣って言わなくても、もうはっきり言えるのは、最初に議論するって言ってたのに、これいきなり解散総選挙ですよ。石破さん、野田さんとの直接討論見ても、11月の投開票まだ伸ばすのかなって雰囲気出してたんですよ。それいきなり選挙で勝つために、今やったら勝てそうだからといっていきなり選挙をやるっていうのは、本当にこれはね、『うそつき内閣』って言いたいですね」

■改革の試金石は「ライドシェア」

新閣僚の人事についても注目すべきポイントがあります。特に、菅義偉氏の副総裁就任が話題となっています。

【橋下徹氏】「体調崩されて、あのような感じに映ってはいるんですけども、7月ぐらいだったかな、ちょっと一緒にご一緒させてもらって。バリバリ改革魂は熱いですから」

【橋下徹氏】「石破さんはね、あんまり改革、改革ってあんまり聞いたことないんですよ。でも菅さんはもう改革、改革なんで、ある意味菅さんが入ることによって、ライドシェアひとつとっても、小泉さんとか、平デジタル大臣。平さんもバリバリの改革派なんで。斉藤国土交通大臣がライドシェア反対派なんで、ここでガチガチで議論して。岸田政権の時には国土交通省に押し切られたんですけど、今回は菅さんとか平さんとかでガンガン改革すべて言ってもらいたいなという期待はしています」

■麻生最高顧問は「頑張りようがないくらい何の権限もない」

しかし、自民党内では早くも不協和音が聞こえ始めています。

石破氏と犬猿の仲とされている麻生太郎氏は、党役員の写真撮影を固辞しました。

麻生氏の「最高顧問」という新たな役職について、どのような権限があるのか尋ねられた橋下氏は、麻生氏の役職について解説しました。

【橋下徹氏】「全くないんです。一応近くに来てくださいねということで、それに反発した麻生さんが嫌味を言ったわけです。もともともうなくなった職だろうと、それを急に復活させて俺をここに押し留めるのかっていうことの嫌味が、もうあの河野洋平さんの時に一回なくした役職じゃないのと、復活した中で一生懸命頑張るけどって、頑張りようがないぐらい何の権限もないんです。」

■日本の政治のために自民党が2つに分かれるべき

また、総裁選で石破氏と決選投票を戦った高市早苗氏は、総務会長就任を拒否しました。

さらに、村上誠一郎氏の総務大臣就任に対しても、過去に安倍元総理を「国賊」と表現し処分を受けた経緯から、猛反発が起きています。

【橋下徹氏】「これは日本の国の政治のためには自民党が2つに分かれるべきだと思います。自民党が今、このよくわからない、2つの全く違う考え方の国会議員が集まっているから、よくわからないようになっていて、高市さん的な考え方、麻生さんも高市さんもそうで、安倍さんもそうなんですけれども、そういう考え方と、それから田中角栄さんを源流にした石破さん的な考え方、村上さんも石破さん的な考え方。

本当はもう全然違う考え方なのに一緒になっているから、選択的夫婦別姓、これは賛否あるけれども、我々選択的夫婦別姓やってもらいたいと思って自民党の票を入れても結局進まないでしょう。

高市さん的な考え方が押し留めるわけですよ。だからもうそこ2つに分かれて、高市さん的な考え方と石破さん的な考え方、国民がどっちか選ぶような仕組みにあった方が僕はスッキリすると思うんですけどね」

■野党候補一本化は「話し合い」ではまとまらない「じゃんけん」か「くじ引き」しかない

今月27日に投開票される衆議院選挙について、橋下氏は「くじ引き」がポイントになると指摘しています。

【橋下徹氏】「日本の衆議院の選挙って小選挙区といって、一つの選挙区で一人しか当選しないわけですよ。そうすると与党と野党で一人ずつの候補者にしないと、仮に野党が複数人だとね、ここに野党票が分散してしまうから、野党が複数人候補者出したらどうなるのか、そういう時点でもう負けちゃうんですよ。だから与野党を一騎打ちの構図にするのが通常の小選挙区での戦い方。」

【青木キャスター】「野党候補は一本化するということですね?」

【橋下徹氏】「絶対にそれが必要不可欠。今、維新と立憲でだいたい100ぐらい候補者が重なってるんですよ。そうすると、その時点で野党負けちゃうから、じゃあ一本化。一本化する方法としたらどういう方法ありますかね?」

【青木キャスター】「普通には話し合いで」

【橋下徹氏】「話し合いでしょ。僕はじゃんけんのがまだいいと思う。話し合いでは絶対まとまらないし、話し合いでまとめるということは、維新と立憲が一つの政党になるっていう前提じゃないですか。あの人たち考え方は違うから、絶対まとまりません。であればどうやって一人でするかといえば、『じゃんけん』か『くじ引き』しかない。もう時間がないから」

■古代アテネでは「くじ引き」で決めていた

【橋下徹氏】「古代アテネの時代から民主主義にはくじというものは使われてたんですよ。例えば、今回も総理大臣指名されたでしょ。もしあの二人の候補者が総理の候補者がいて同数になった場合は何で決めるかってたら、最後くじで決めるんですよ」

【青木キャスター】「それも法律に明記されてるんですか?」

【橋下徹氏】「そうそう。総理をくじで決めるんですよ。同数の場合。わかんなかったらくじで決める。それからあの国会議員だって選挙をやって同数の場合には最後くじで決めるんですよ。だからくじと民主主義ってのは、親和性があって」

【青木キャスター】「決して突拍子のない意見ではない?」

【橋下徹氏】「全然違う。だから野党の中で、候補者が二人重なって、どっちを一本化したらいいか話が付かないんだったら、くじでやるべき。でもその時にはアナログでやるべきで、デジタルはよくないと思う」

■自民党、公明党は政治とカネの問題でお灸を据えなきゃならない

【橋下徹氏】「候補者一本化というと、政策をまとめないといけないと思うかもしれないけど、まとめる必要はなくて、自民党、公明党を過半数割れにさせることだけが目標。自民党、公明党は政治とカネの問題とかでお灸を据えなきゃならないってことだから。自民党、公明党が過半数取っちゃうと、政治とカネの改革をやらないから。野党の政策をまとめるというよりも、自公過半数割れにするために候補者の一本化。というように国民がそう思うかどうかですね」

4日の所信表明演説、そして9日のスピード解散と、政治の動きが加速しています。

石破新内閣が自民党内の結束を固め、野党との対決姿勢を明確にできるか、今後の展開が注目されます。

(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2024年10月2日放送)

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