立憲民主党の代表選に立候補している野田佳彦元首相が12日、自身の決起集会で小沢一郎衆院議員と握手する場面があった。小沢氏は旧民主党政権下の2012年、10%に消費税率を引き上げる野田内閣の方針に反対し、たもとを分かった因縁がある。一時は「顔も見たくない関係」(野田氏)だったという両氏だが、消費税を巡る見解の一致を置き去りにしてでも、政権交代への執念を印象付けた。
野田氏は12日夕方、国会内であった決起集会に参加した。小沢氏は会場で最前列に座り、野田氏の演説に耳を傾けた。
演説の後半、野田氏は「今日は小沢先生にもご参集をいただいている」と紹介。過去の経緯も踏まえ「恩しゅうを越えて政権を取りにいく執念で(代表選立候補を)表明することができた」と謝意を伝えた。演説が終わると小沢氏のもとに近寄り、笑顔で握手を交わした。集会の最後には、壇上の中央に2人が並び「ガンバロー」と拳を突き上げた。
野田内閣は小沢氏が率いるグループが離党したことで政権運営がますます不安定化し、その後の下野につながった。
だが、今回の代表選では、小沢氏は野田氏と会談を重ね、政権交代を目指すために支持すると今月3日に決めた。当時について記者団に「消費税の増税は、やらないと国民に約束したことだった」と振り返る一方で、「過去のことを言っていたんじゃ、いつまでたっても党内はまとまらない」と述べていた。
消費税率を巡っては代表選の争点になっており、野田氏は引き下げに反対の立場だ。一方、小沢氏は態度を明らかにしていない。【田辺佑介】
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