首相官邸=共同

 政府は13日の閣議で、高齢化対策の中長期指針「高齢社会対策大綱」の改定を決定した。75歳以上(後期高齢者)の医療費窓口負担が3割となる人の範囲拡大を検討すると明記した。高齢者の増加で医療費が膨らむ中、公的医療保険制度を持続させたい意向だ。大綱改定は2018年以来6年ぶり。

 75歳以上の窓口負担は現在、原則1割。一定の所得があれば2割、現役並みの所得だと3割で、所得に応じた「応能負担」となっている。「現役並み所得」の基準見直しは、政府が23年末に決めた社会保障の歳出改革工程表で28年度までに実施の可否を協議するとしていた。

 大綱は年齢だけで「支える側」と「支えられる側」を分けない「新たな高齢期像」を提示。希望に応じ就労や社会参加を続けられる環境を整備する。70歳まで働くことができる企業の割合(23年は29・7%)を29年に40%へ高めることを目標に掲げた。

 増加を見込む単身高齢者の住まいの確保も図る。高齢者の入居を拒まない賃貸住宅を増やし、居住時に福祉や相続の相談に応じる支援体制をつくる。(共同)

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