身内ともいえる日本維新の会からも辞職要求を突き付けられ、いよいよ四面楚歌に陥ったパワハラ疑惑に揺れる兵庫県の斎藤知事。
9日午後、きょう2回目となるぶら下がり取材に応じ、「維新の会の皆さまにも、ご心配をおかけしてます」「私としても真摯に受け止めたいと思っています」「私自身も大変重く受け止めています」と述べました。
これまでにはなかった、「真摯に」「重く受け止めている」という言葉。
しかし、進退に関わる発言はありませんでした。
先週末、最大会派である自民党の兵庫県議団が、斎藤知事の辞職を申し入れることを決定。
そして、3年前の知事選で斎藤氏を推薦した日本維新の会も午後1時ごろ、藤田幹事長が「斎藤知事に対して、自らの辞職、出直し選挙を求める。県政の停滞を招いているということは事実」と述べました。
辞職申し入れの判断の理由の1つとなった6日の百条委員会で、斎藤知事は「私としては、ちゃーんとやってきたと」「道義的責任というのは何か、私わからないです」と答弁。
委員:
真相解明を我々求められているんですよ。
斎藤知事:
…あっそれは、委員の個人的なご意見だと思いますけれど。
そして“おねだり疑惑”といわれた贈答品などの受け取りについては、その多くを認めつつも…。
斎藤知事:
やっぱりいいものはしっかり頂いて、自分自身が兵庫県の魅力を知るということは大事な仕事。
さらに、2023年に全国知事会が行われたホテルでの夕食を巡り、「俺は知事だぞ」と激怒した疑惑についても質問が。
委員:
斎藤知事が突然ホテルで(夕食を)食べたいと言った理由は、吉村大阪府知事がホテルのビュッフェを食べるということを斎藤知事が知って「食べたい」と言い出した。これ事実ですか?
斎藤知事:
そうですね、はい。
委員:
“俺は知事だぞ”っていう、これは言われました?
斎藤知事:
俺は知事だぞとか、そういうので激怒するというのは、私はないです。
委員:
知事会の場で知事だぞって言っても、みんな知事ですから。
予約していない夕食をごり押ししたとみられる背景には、2学年上で知事としても先輩にあたる吉村洋文大阪府知事と一緒に食事をしたいという、斎藤知事の思惑があったのではという指摘が。
委員:
吉村知事に「個室で食べたい」ということを伝えると、先方から「なぜビュッフェなのに個室に行くのか」と断られたと。
斎藤知事:
そんな事実、私は知りません。
委員:
(吉村大阪府知事と)一緒に食べました?
斎藤知事:
一緒に食べましたね。自然な流れでビュッフェに行って、ビュッフェ会場があったんで、個室がうんぬんかんぬんというのは、ないと。
強まるばかりの辞職要求。
それでも9日朝、斎藤知事は表情を変えず、これまでどおりの主張を繰り返しました。
斎藤知事:
(Q.辞職要求に応じる考えはない?)私の考えは、百条委員会や第三者委員会の調査にこれからもしっかり対応していくと。
その中で唯一、表情を変えたのが吉村知事に関する質問でした。
斎藤知事:
(Q.吉村氏から辞職要求について直接連絡があったか?)
えーっと…まあ、あの…。コメントは差し控えておきたいと思います。いろいろやりとりは、政治家同士で…。
吉村氏とやり取りがあったかを問われ、なぜか含み笑いを浮かべた斎藤知事。
実は7日、吉村知事は斎藤知事に直接電話をして、辞職を迫っていたことが明らかになりました。
9日午後5時ごろ、取材に応じた吉村知事は「僕も同じ知事ですから、知事がものを投げる、あるいは机を叩く行為、これはやってはいけない行為だと思うという話をして、間違っていることは間違っていると素直に認めて、謝って、知事を辞職して、県民に問うべきではないかと話した。特に結論は出なかったと」と話しました。
吉村知事の説得を受けた形の斎藤知事は、9日午後5時ごろ、「こういう詳細なやりとりがあったことを私から言うのは、政治家同士の話なので、差し控えた方がいいかなと思います」と話し、そのうえで、辞職については改めて否定しました。
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