暑さの打撃を受けた今年のサクランボについて、県産サクランボの収穫量は例年1万3000トンほどだが、平成以降で1万トンを下回ったのは3度だけ。最も少なかったのは、甚大な霜の被害を受けた1994年の8570トンだった。
県がきょう(29日)公表した今年の収穫量は約8700トン。実に30年ぶりの不作で、過去2番目の少なさとなった。

きょう開かれた県産サクランボのブランド力強化推進会議で、今年の見込みの収穫量が初めて報告された。

(県園芸大国推進課・近野広行課長)
「前年対比で67%、平年対比で65%の8700トンほどの見込み」

今年5月に県が公表していた予想収穫量は、平年の1万3300トンよりも9%少ない1万2100トンだった。
しかし、きょう示された収穫量はわずか8700トン。平年と比べて35%少なく「平成以降で過去2番目に少ない収穫量になる」との見通しが示された。

不作となった理由について県は、6月に30℃を超える日が続いたため高温障害の“うるみ果”が発生したことや、去年の猛暑により実がくっついた“双子果”ができたことなどを挙げている。

(県JA園芸振興協議会・大沼喜一会長)
「毎年のようにこのような温度でいくとすれば、75歳すぎのおじいちゃん・おばあちゃんでやっているサクランボの生産者は全て廃業になる」

収穫量が過去2番目の少なさとなったことを受け、会議では今後の高温障害に対する県の支援策も示された。
ハウス内の温度が上がらないようにするための遮光資材や、サクランボの温度を下げるために水を撒く「かん水施設」の導入を経費面で支援すること。
暑さに弱く作付けの大半を占める主力の「佐藤錦」から、「紅秀峰」や「やまがた紅王」といった高温に強い品種への転換を進める際の補助などを行う考え。

(県農林水産部・星里香子部長)
「基本的な対策も含め、9月補正予算での高温対策の支援の事業などを検討しているのでさまざまな取り組みをみなで進めたい」

県は、これらの支援策を県議会9月定例会に提案する方針。

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