秋田県能代市の能代港を洋上風力発電の整備拠点にすることを目指す団体が29日、秋田県庁で佐竹知事に浮体式洋上風力発電の導入を見据えた港湾機能の強化を要望した。

県庁を訪れたのは、能代市などの自治体や商工団体で組織する「能代港洋上風力発電拠点化期成同盟会」。

能代港は、2022年に国内初の大規模洋上風力発電が稼働した他、風車建設の拠点となる「基地港湾」に指定されている。

風車の建設拠点とするには、洋上風車のタワーなど大型部材の重さへの対応が必要。これまで埠頭(ふとう)を強化する工事や、洋上風車を建てる船を係留するために岸壁の水深を深くする工事が行われ、7月に基地港湾としての機能が整った。

29日は、期成同盟会の会長を務める能代市の齊藤滋宣市長が、風車を海に浮かべて発電させる浮体式洋上風力発電の商用化を見据えた港湾機能の強化を求めた。

齊藤市長は「能代港には大型クレーンがない。自走式のクレーンしかないので、クレーンをしっかり港に用意しておかないと設備ができない。風車だけでなく他の面でも使えるので、能代港の機能強化という面でどうしても大型クレーンが必要」と訴えた。

能代港では、2024年度中の完成を目指し、洋上風車の部材の組み立てやメンテナンス作業の拠点に向けた港湾を拡張するための埋め立て工事が進められている。

能代港は、「能代市・三種町・男鹿市沖」で発電事業を行う三菱商事などの企業連合が、風車の建設拠点として使用する予定。

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