ビラを配布する野田佳彦元首相=千葉県習志野市で2024年8月26日、田辺佑介撮

 立憲民主党代表選への立候補に向けて調整している野田佳彦元首相は26日朝、千葉県習志野市内で記者団に、2011年の民主党代表選で自身をドジョウに例え注目を集めた演説を踏まえ「金魚ばかりに対してドジョウも必要」と述べ、立候補への意欲をにじませた。代表選は9月7日告示、23日投開票の予定で、野田氏は近く正式表明する見通し。

 野田氏は毎朝、選挙区内の駅頭などでビラ「かわら版」を配布している。25日付のビラでは、代表選で問われる代表の資質について「刷新感よりも安定感が求められているのかもしれません」と記載した。

野田佳彦元首相が配布した「かわら版」=千葉県習志野市で2024年8月26日午前8時半ごろ、田辺佑介撮影

 配布後、記者団から意図を問われると、「相手側の様子を見ていると本当の刷新じゃなく刷新『感』なので」と述べ、若手や知名度のある2世議員など立候補に意欲を示す議員が乱立する自民党総裁選をけん制した。その上で「逆にいうと金魚ばかりに対して、ドジョウも必要なのかもしれないという印象は持つようになった」と説明した。ただ「二匹目のドジョウになってしまうとあまりよくない」とも述べ、「熟慮中」であることを強調した。

 野田氏は旧民主党政権時の11年、党代表選の演説で「好きな詩に『ドジョウが金魚のまねをしても仕方ない』というのがある。このルックスなので、首相になっても支持率は上がらない」と語った上で、「ドジョウらしく泥くさく政治を前進させる」などと訴えて勝利した。引用された詩は、詩人で書家の相田みつを氏の作品。【田辺佑介】

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