メガソーラー開発に揺れる福島県福島市で新たな動き。福島市は設置を抑制する条例を2025年4月から施行する方針を示した。

「メガソーラー設置の抑制に関する効果が現在の仕組みでは限界があると」8月22日の会見で危機感をにじませた福島市の木幡市長。
発表したのは、メガソーラーの設置抑制や安全管理対策の強化を盛り込んだ条例の施行だ。木幡市長は「1つは景観です。いわずもがなです。歴史文化こういったものも共存・破壊されないような価値観を守る条例にしていきたいと思っています」と述べた。

2023年8月に「ノーモアメガソーラー宣言」を表明した福島市。
しかし、その後も設置計画の打診が相次いでいることや、住民に十分な説明を行う事業者が少ないことからより実効性の高い条例制定へ踏み込んだ。
市が念頭に置いているのが・・・
福島テレビ・丹野裕之記者:「奥に見えるのは福島市の先達山です。現在も工事が進められていて山肌がむき出しになっています」

福島市西部の先達山でいまも建設が進むメガソーラー。東京ドーム13個分の広さで森林が伐採され景観が悪化。また、2024年6月には雨で仮設水路が詰まって泥水が県道などに流れこんだ。

新たに制定を目指す条例では、メガソーラーの「禁止区域」や「抑制区域」を設定。
また、事業者に適切な管理が行われているか、定期的な報告を義務づけ、違反した場合は許可の取り消しなどを行うことが盛り込まれている。
一方で、既に許可を受けているメガソーラーについては、条例の適用は難しく、市は今後も適切な管理の協力を呼びかける方針だ。

こうした市の方針にメガソーラー建設中止を求めてきた人は…。
高湯温泉太陽光発電所建設中止を求める会の林澤一さんは「少し一歩動いてくれたなって感じがします」と話す。
条例の制定への動きを一定の評価はしているが、懸念は条例の対象外となる既存のメガソーラー。安全管理や環境保全を徹底させるためのアプローチが必要だと訴える。
建設中止を求める会の林さんは「条例の目的が基本的に事業の開始というか、進め方に関するチェックになっていると思うんですよね」と指摘する。

市は8月末に専門家などを交えた審議会で条例の内容について議論。2025年3月の市議会定例会で条例案を提出し、4月の施行を目指している。

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