記者会見で自民党総裁選挙の日程などを説明する逢沢一郎選挙管理委員長(右)。左は中谷元選挙管理委員長代理=同党本部で2024年8月20日午前11時37分、平田明浩撮影

 自民党が総裁選の投開票を9月27日に行う日程を決めたことで、衆院選の投票日は最も早い場合でも11月以降となる見通しだ。広瀬めぐみ元参院議員(自民を離党)の辞職に伴う参院岩手選挙区補欠選挙は10月27日の投開票が確定しており、新首相の初審判は参院岩手補選となりそうだ。

 岸田文雄首相の後任となる総裁は9月27日に選出された後、10月初旬にも召集される臨時国会で首相に指名される見通し。臨時国会で所信表明演説や代表質問などを行った上で、新首相が10月中旬に衆院解散に踏み切った場合、衆院選は「10月22日公示、11月3日投開票」「10月29日公示、11月10日投開票」などの日程が想定される。

 総裁選の日程を巡っては当初、投開票日を9月20日とする案が自民党内で浮上していた。この場合、衆院選も1週間程度前倒しされ、参院岩手補選と同日の10月27日に投開票を行う日程も可能だった。

 参院岩手補選は、広瀬氏が公設秘書の給与を国から詐取したとされる事件を受けて辞職したのに伴い実施される。立憲民主党は候補者を擁立する方針で、自民党内からは「勝つのは相当難しい」(ベテラン議員)と早くも危惧する声が漏れる。

自民党本部で開かれた総裁選挙管理委員会=東京・永田町で2024年8月20日午前

 自民党内には内閣支持率が低迷していた岸田首相が退き、首相交代による「ご祝儀」で支持率が回復したのに乗じ、早期に解散・総選挙を行うべきだとの意見が強まっている。ただ、「岩手で負けてから総選挙をやるのか」(中堅)と、日程に疑問の声も出ている。【遠藤修平、高橋祐貴】

自民内で取り沙汰される衆院解散を巡る日程

9月7日  立憲民主党代表選の告示

  12日  自民党総裁選の告示

  23日  立憲代表選の投開票

  27日  自民総裁選の投開票

10月初旬  国会で新首相を指名

      新首相が所信表明演説?

      与野党代表質問?

  中旬  新首相が衆院解散?

  27日  参院岩手補選の投開票

11月以降  衆院選の投開票?

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