手話の普及に向け、超党派の国会議員連盟が環境整備を後押しする法案の提出を検討している。国や自治体が「手話に関する施策を総合的、計画的に実施する責務を有する」と明記する方向で調整する。

関係団体の意見も聞き、早ければ秋の臨時国会での提出を目指す。

これまでにまとめた法案の骨子案では、国や自治体が取り組むべき事項として、子どもの発達段階に応じた手話の学習機会提供、災害時の手話による情報提供などを列挙している。

手話を使用する子どもが通う学校に手話の技能を有する教職員や手話通訳者を適切に配置するよう求める内容も盛り込む方向だ。国連決議に基づき手話言語の国際デーとされている9月23日を「手話の日」とし、関連行事の実施も促す。

手話通訳者の配置の在り方など、細部で詰めの調整を進めている。ただ配置人数といった具体の数値などは盛り込まれない見通しで、実効性をどう高めていくかが課題になりそうだ。

全日本ろうあ連盟(東京)によると、聴覚障害者による意思疎通の円滑化のために手話の普及を促す条例が38都道府県と約500市区町村(7月22日時点)で制定されている。一方で国の動きは遅れており、同連盟が法整備を求めていた。

2025年11月には、聴覚障害者の国際スポーツ大会「デフリンピック」が日本で初めて開催される。議連は大会を見据えて法案を成立させ、支援を進めたい考えだ。〔共同〕

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