福岡県北九州市の武内市長は、公共事業に伴い取り壊される見通しの旧門司駅の関連遺構について、様々な意見を踏まえて後世に伝える方法を検討する考えを示しました。

◆北九州市 武内和久市長
「街の成り立ちや当時の人々の生活など、後世に伝える方法など、こういったものがないのかしっかりと検討を深めていきたい」

この遺構は老朽化した区役所などを集約する北九州市の複合公共施設の建設予定地で見つかった明治期の初代門司駅の関連遺構です。

市はこれまで、議会の決定を受けて追加の発掘調査と記録保存を終えた後、速やかに建設に着手するとしていました。

その一方、日本イコモスなど複数の学術団体は国の史跡に匹敵する価値があるなどとして、現地保存を求めています。

8日の定例会見で武内市長は、これまでに開いた市民説明会や専門家から出された意見などを踏まえて、遺構を後世に伝える方法を検討する考えを示しました。

具体的な検討内容について武内市長はー

◆北九州市 武内和久市長
「これまでいただいた意見の中で、デジタル技術を使ってはどうか、ガラス張りにして見えるようにしてはどうか、といった提案もいただいています。そういった思いにお応えできる方策がないのか検討を深めていきたい」

一方で、老朽化した施設の建て替えは待ったなしの状況だとして、市民の安全安心を最優先に事業を進める考えを改めて示しました。

◆北九州市 武内和久市長
「先送りのできない課題に対して、責任をもって与えられた時間の中で判断、決断をしていく。皆さんの意見を大切にしながら知恵を絞り、汗をかいていきたい」

市は今後も様々な意見に耳を傾け、必要があれば説明会も開催したいとしています。

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