今回の大雨で浸水被害があった地域では、きょう(30日)も住民が片付けに追われている。こうした中、戸沢村ではきょうからボランティアによる復旧作業が始まった。

戸沢村では最上川の本流がはん濫し、住宅約300件が浸水被害を受けた。
戸沢村社会福祉協議会は、きょうから災害ボランティアの派遣を始めた。初日のきょうは県の内外から15人が参加して、被害が大きかった蔵岡地区にある蔵岡公民館で
片付けを行った。

(蔵岡地区・早坂修一副会長)
「1階部分は壊滅状態です。最初は地区民でやろうと話していたが、地区の人だけでは手に負えない。役場にお願いしてボランティアに入ってもらった」

蔵岡地区は約70ある住宅全てが浸水被害を受けたため、片付けの作業中に休憩できる場所も近くにない。
住民やボランティアが公民館を復旧の拠点として使えるようにと、優先的に片付けることになった。ボランティアは濡れて使えなくなったイスや棚などをトラックに積み込んだり、溜まった泥をかき出したりしていた。

(ボランティア山形市から・大場美嘉さん)
「1日でも早く普通の生活ができるように協力できれば」

(ボランティア新庄市から・沼澤光陽さん)
「災害が起きた時に以前からボランティアをしていたので、今回も初日に来たいと思った。微力だが地区の皆さんの力になりたい」

一方、蔵岡地区の住民も自宅の片付けに追われていた。
芦原良子さん(87)の自宅は、2階まで水に浸かった。きょうは親族も手伝いに来て、濡れた家財道具を外に出したり思い出の写真を洗ったりしていた。

(親族・芦原恵子さん)
「だめだ~、パパの顔も残念」

芦原さんは約50年、自宅の1階でタバコや食料品などを販売する店を営んできたが、使っていたレジや冷蔵庫など全てが水に浸かった。
祖父が明治時代に開業し3代続いた大切な店だが、今回の大雨をうけ手放すことを検討している。

(芦原良子さん)
「もう商売できない。手もつけられない。全部、何もかもなくなった、着るものも。私は店が好きだから何もなければ死ぬまで店をやりたかった」

あすも約60人が蔵岡地区にボランティアに入るという。
戸沢村社会福祉協議会はボランティアを募集していて、希望者は協議会のホームページから申し込むことができる。

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