特定秘密の情報漏えいや潜水手当の不正受給など一連の自衛隊の不祥事を受け、30日、衆院安全保障委員会の閉会中審査が開かれ、野党が木原防衛相の辞任を求めた。

木原防衛相は、昨年11月に海上自衛隊の潜水手当不正受給で4人が逮捕された事実が公表されず、自身への報告もなかったことについて「7月5日に(防衛省の)人事教育局が懲戒処分の説明をした際、資料に注釈として4人の逮捕について記載していたが、説明はなく、逮捕の事実について認知することはなかった」と説明。その上で、「確かに記載はあるので、私に全く落ち度がなかったかというと、一端の責任はある」と述べた。

これについて立憲民主党の渡辺周元防衛副大臣は「法案審議に影響が出ないように、通常国会が終わるまで引っ張って隠蔽していたのではないか」とただした。

これに対し木原防衛相は「文民統制という観点から非常に問題があった。逮捕された昨年の11月に私に報告があってしかるべきだった」と強調。

また「一般的には警察官による身柄の拘束が逮捕というイメージだが、海上自衛隊の警務隊による逮捕だった」とした上で、「逮捕に対する意識が、民間とずれがあった。逮捕は逮捕で変わりはない。再発防止に取り組んでいきたい」と述べた。

さらに渡辺氏は「空前の処分者を出している。辞任して責任を取る。けじめをつける意味でも判断すべきだ」と述べ、木原防衛相の辞任を求めた。

これに対し木原防衛相は「私は地位には全く固執していないが、岸田首相からリーダーシップを取って組織を立て直すよう指示を受けている。今仕事を放棄することが責任の取り方とは思えない」とした上で「隊員の意識改革、組織の体質改善の方向性をしっかり示したい」と述べ、辞任しない考えを強調した。

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