戸沢村蔵岡地区は大雨で最上川がはん濫し、一時孤立状態となった。大雨から2日後、蔵岡地区に取材に入ると、集落のあらゆるものが泥にまみれ、住民たちが復旧作業を始めていた。

大雨の翌日、7月26日に撮影した戸沢村蔵岡地区の様子。
集落の側を流れる最上川がはん濫し、一帯が水に浸かった。見える範囲全てが茶色く濁った水に浸かり、中には2階部分しか見えない建物もある。

(リポート)
「住宅に取り残された住民を一人ずつヘリコプターに乗せ救助していきます」

集落は一時、孤立状態となり、一部の住民が取り残されたが、自衛隊などのヘリコプターで救助された。
それから2日。水が引いた集落では、自衛隊や住民が一軒一軒、家をまわり安否確認をしていた。

(自衛隊)
「ごめんください」
「声がけして、住人の声などが聞こえない場合は大丈夫だと思うので」

(住民)
「蔵岡地区の方はみんな避難所に逃げているが、念のため安否確認」

(リポート)
「蔵岡地区の集落に入ってきました。ほとんど人影がなく静まり返っています。足元、道路には重い泥が溜まって歩くのも難しいです。どこかで灯油が漏れているのか、油の匂いも広がっています」

集落を歩くと、住宅はもちろん農作物や車などあらゆるものが泥にまみれていた。

(リポート)
「農業用ハウスでしょうか、ひっくり返っています。あちらにもタンクのようなものが道路に転がっています」

蔵岡地区は、過去に何度も大雨による浸水被害を受けてきた。最上川の支流があふれる「内水氾濫」によるもので、それを食い止めるための堤防が去年完成したばかり。
しかし今回は、最上川本流による「外水氾濫」が発生。これまで以上に大量の水が集落に流れ込んだ。

取材を続けていると、避難所から少しずつ戻ってきた住民たちが片付けを始める姿が。ある住宅では浸水した車庫の泥をかき出す作業を始めていた。

(住人・横山さん)
「水がこの辺3メートルくらいまで来た。全然地区に入れなかった。1階はほぼほぼ全部水に浸かった」

そしてこちらも…。

(住人・中村さん)
「入れない。下駄箱もぐちゃぐちゃ」

1階部分がすべて浸水し、家の中には厚い泥が溜まっていた。扉や冷蔵庫など家財道具も散乱。天井付近にはイスが引っ掛かり、押し寄せた水の高さを物語っていた。

(住人・中村さん)
「使えるものが何もなくなっている」

住宅や家族の写真など、思い出の品も全て泥をかぶってしまっていた。

(住人・中村さん)
「何回あっても慣れてるとはいえこのレベルだと片づけるのも前回も1ヶ月以上かかった。このレベルだと今年いっぱい掃除しなきゃいけない。ため息しか出てこない…」

戸沢村では、おととい(27日)災害ごみの仮置き場が設置された。場所は旧古口小学校跡地など3カ所。

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