日本、米国、韓国の防衛相は28日、防衛省で会談した。共同訓練や閣僚会談など3カ国の安全保障協力を定例にする覚書に署名した。北朝鮮や中国を念頭に東アジア地域での抑止力を強化する。

日米韓防衛相会談で覚書に署名し、握手する(左から)申源湜(シン・ウォンシク)韓国国防相、木原稔防衛相、オースティン米国防長官(28日午前、防衛省)=代表撮影

木原稔防衛相、米国のオースティン国防長官、韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防相が出席した。韓国の国防相が来日するのは15年ぶりとなった。

日米韓の防衛相が多数の国が集まる国際会議の場以外で会談するのは初めて。2025年は韓国で開催すると一致した。

木原氏は会談後、記者団に「日米韓3カ国の協力は揺るがない、より強固なものとなった」と述べた。覚書に基づいて3カ国の協力強化のための取り組みを継続し、地域の平和と安定に貢献すると強調した。

日米韓は6月に海や空、サイバーなど複数の領域にまたがる新たな共同訓練「フリーダム・エッジ」を初めて開催した。覚書でフリーダム・エッジを含む共同訓練を組織的かつ効率的な対応で実施し、防衛交流・協力を推進すると盛り込んだ。

日米韓が23年12月から始めた北朝鮮によるミサイルの探知情報を即時共有する制度についても連携を強化すると決めた。台湾海峡の平和と安定の重要性も申し合わせた。

11月に米大統領選がある。民主党、共和党どちらの政権でも、3カ国の体制が揺るがないようにする。韓国の政治情勢なども踏まえた。

バイデン米政権は元徴用工問題などで悪化した日韓関係の改善を促してきた。23年8月にはバイデン氏が日韓の首脳をワシントン近郊の大統領山荘キャンプデービッドに招待し、3カ国の首脳会談を実現させた。

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