記者会見する自民党の茂木敏充幹事長=東京都千代田区の同党本部で2023年2月13日午後5時40分、竹内幹撮影

 自民党の茂木敏充幹事長は28日~8月4日の日程で東南アジア4カ国を訪問する。党総裁選に向け、米国のトランプ前大統領からも「タフ」と評された外交力で存在感を示す狙いがありそうだ。

 訪問するのはインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン。政府要人との会談に加え、スタートアップ企業の視察などを調整している。4カ国は近年、国際的なルール作りや経済成長で存在感を高めるグローバルサウス(新興国・途上国)の一角を占める。

 茂木氏は22日、東京都内での講演で「我々はグローバルサウスの不満に注意深く耳を傾けなければいけない。中国、ロシアに有利な国際世論の形成を追求する動きがあるからだ。日本外交が世界で果たす役割はますます重要になっている」と語った。

 茂木氏は2019年9月、安倍晋三内閣で外相に就任。菅義偉、岸田文雄の両内閣でも続投し、幹事長に就いた21年11月まで2年間務めた。「自国第一主義」を掲げてトランプ米政権が離脱した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の発効に尽力。日米貿易協定の交渉では、トランプ氏から「タフネゴシエーター」と評された。

 トランプ氏が選挙演説中に銃撃された際、茂木氏は「トランプ前大統領こそタフだ」と回復を祈るメッセージをX(ツイッター)に投稿した。

 9月の党総裁選を巡り、茂木氏は「総理になってやりたい仕事があるのは間違いない」と述べるなど、出馬への意欲をにじませる発言が増えている。【加藤明子】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。