旧優生保護法で強制された不妊手術について、最高裁が違憲判決を出したことを受け、岸田首相は17日午後、首相官邸で原告らと面会し謝罪しました。

岸田首相は、「政府の責任は極めて重大なものがあり、心から申し訳なく思っており、政府を代表して謝罪を申し上げます」と原告らに謝罪しました。

原告の1人は、「67年間、本当につらかった」と岸田首相に伝えました。

旧優生保護法のもとで、障害などを理由に強制された不妊手術を巡り、最高裁は7月、国の賠償責任を認める判決を出しました。

原告らと面会した岸田首相は、一人一人の手を握って謝罪しました。

そして岸田首相は、係争中の別の裁判で、不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する「除斥期間」の主張を撤回し、速やかに和解による解決を目指す方針を表明しました。

さらに、被害者への補償について、訴訟を起こしていない人も対象とし、配偶者が受けた苦痛も視野に入れて補償を検討する考えを示しました。

原告らの中には、「つらかったという気持ちがあったんだけども、少し和らぎました」と話す人や、「19歳の時、病院に入れられて、手錠かけられて、そして優生手術されました。謝罪してもらっても、私の心は一生消える問題でありません」と話す人もいました。

国会でも、今後、被害者に謝罪の意を示す国会決議に向け、調整が行われる見通しです。

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