立候補者の訴えを聞く人たち=江東区で2024年4月20日午前11時13分、白川徹撮影

 28日投開票の衆院東京15区補欠選挙は20日、選挙戦に入って初めての週末を迎えた。立候補者たちは選挙カーで各地域を巡り、街に出ていた家族連れや買い物客に支持を求めた。【長屋美乃里、白川徹、小林遥】

 NHKから国民を守る党の福永活也氏(43)は、弁護士の知見を生かし、離婚後の養育費の不払い問題などの解決を目指す。同党は、自民党の政策に基本的に賛同しているという。今回は自民候補がいないため、自民支持層の取り込みを狙う。

 20日午前11時、無所属の乙武洋匡氏(48)が演説したのは、豊洲市場の観光施設の前。小池百合子知事と大久保朋果・江東区長が応援に駆けつけた。乙武氏は、災害時の避難所施設のバリアフリー化や消費税減税などを訴えた。

 参政党の看護師、吉川里奈氏(36)は正午過ぎ、木場駅前でマイクを握り、コロナワクチンの危険性やインボイス制度の廃止を訴えた。夕方には神谷宗幣代表が応援に駆けつけ、「外国資本から日本を守る」と主張した。

 無所属の元衆院議員、秋元司氏(52)は夕方、豊洲駅近くで演説した。汚職事件での自身の逮捕は「でっちあげだ」と主張し、司法制度改革を訴えた。選挙戦では、中小・零細企業への支援や賃上げの実現を掲げている。

 日本維新の会の元会社員、金沢結衣氏(33)は砂町銀座商店街で、買い物客に支持を呼びかけた。豊洲での演説では、「江東区で活動を始めて5年。地元の声を国政に届ける」と訴えた。同会の共同代表の吉村洋文・大阪府知事が応援に来た。

 つばさの党のIT会社社長、根本良輔氏(29)は、少子高齢化が進んで若い世代の負担が増えるとして、年金制度改革を訴える。他にも、科学技術やベンチャー企業への重点投資、消費税の引き下げなどを提唱している。

 午後2時、立憲民主党の元区議、酒井菜摘氏(37)は豊洲のホームセンター前で演説。女性議員らが応援に来た。「立憲の仲間と連帯し、女性の声を国政に届ける」と訴えた。別の演説場所には、岡田克也幹事長や枝野幸男衆院議員も来た。

 日本保守党の麗沢大客員教授、飯山陽(あかり)氏(48)は「日本を豊かに、強く」と力を込める。議員が地盤を子どもに継がせる「議員の家業化」の廃止や消費税減税、伝統や文化を守ること、憲法9条や皇室典範の改正を掲げる。

 自転車で江東区内を回ってきた無所属の元参院議員、須藤元気氏(46)は、対話の機会を増やすために徒歩で移動。公園で家族連れと握手し、スーパーの前で演説した。減税やインボイス制度の廃止を訴え、「再び国会で戦わせて」と語った。

 期日前投票は27日までの午前8時半~午後8時、江東区役所や豊洲シビックセンターなど9カ所で実施している。15日現在の選挙人名簿登録者数は43万890人(男性21万159人、女性22万731人)。

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