札幌市中心部では駐輪場の整備が進み放置自転車が減っています。

 一方で、その周辺地域では路上駐輪により通行の妨げになるケースも。

 有効な手立てはあるのでしょうか?


 「午前9時30分をまわりました。現在、狸小路4丁目と5丁目の間に来ています。こちら違法駐輪車です。これから撤去作業が始められます」(狐野 彩人 アナウンサー)

 条例で定められた「自転車等放置禁止区域」

 わずかな時間でもここに放置された自転車は、即時撤去の対象となります。

 車椅子やベビーカーをはじめ歩行者の通行の妨げになり、点字ブロックを覆うなどの危険もあるためです。

 2005年に札幌駅周辺から始まった放置禁止区域は、国道36号まで南に拡大されています。

 放置自転車の数は年々減少しています。

 「2018(平成30)年には放置自転車が約6000台。それが2023年は約500台(札幌中心部の平日午後3時の放置自転車台数:札幌市調べ)。大幅に減少していて大きな効果が表れていると思う」(札幌市 自転車対策担当課 伯谷 浩 課長)


 駐輪場の整備も進んでいます。

 2024年4月、JR札幌駅南口に大規模な屋外駐輪場が新設。

 2023年6月にはモユクサッポロの地下に743台が止められる大型駐輪場ができました。

 「月に25~26回は使っている。立地が使いやすい」(駐輪場の利用者)

 「職場が近くなので使っている。雨に濡れる心配がないし、防犯カメラもありセキュリティは安心」(駐輪場の利用者)

 「このような駐輪場が増えていいと思う。違法駐輪が減ると車椅子の人には良いのでは」(駐輪場の利用者)


 一方で新たな課題も浮き彫りになってきました。

 「南2西6の交差点に来ています。こちら駐輪禁止のマークがあります。ここから東側は放置禁止区域内になっています。少し西側に歩いてみると40台近く路上駐輪され、道幅が少し狭くなってしまっています」(狐野 彩人 アナウンサー)

 道路の東側は放置禁止区域ですが、西側は区域外です。

 路上に大量の自転車が止められています。

 道路1本はさんだだけでこのような違いが出るのには、対応の違いがあるからです。


 「放置禁止区域外でも自転車の放置は基本的に認めていない。市では3日以上放置されたものは撤去の対象となると考えで巡回している」(札幌市 伯谷 課長)

 放置禁止区域内ではわずかな時間止めただけでも即時撤去の対象となりますが、区域外では一定の期間を経過しないと撤去されないのです。

 禁止区域外に自転車をとめようとしていた若い男性にとめた理由を聞いてみました。

 「用事が近くであった。この周辺には駐輪場がない。放置禁止区域外なら止めてもいいかなと」(路上駐輪した人)

 Q禁止区域には止めない?

 「禁止区域だとすぐに自転車を持っていかれるから。持っていかれるのは さすがに嫌」(路上駐輪した人)


 札幌市の担当者は、このような状況について。

 「放置禁止区域内と区域外の縁辺部では多かれ少なかれそういう状況は発生する。駐輪場を確保した上で、西側にも(放置禁止区域を)拡大できたらと考えている」(札幌市 伯谷 課長)

 また、放置禁止区域と国道36号をはさんで隣接しているススキノ地区でも、路上駐輪が多く見られます。

 「ススキノ地区です。路上駐輪された自転車が10台あります。さらに道路を隔てて向かい側、枠の部分は無料で止めることができますが、そこからはみ出たところには約30台近く路上駐輪されています」(狐野 彩人 アナウンサー)

 「皆さんの希望としては止めてほしくないということですね」(路上駐輪した人)

 「みんな止めているからここはいいのかなと思った。(Q:ススキノは駐輪場が少ない?)少ない。せめて夏場だけでも路上駐輪できるようにしてほしい」(路上駐輪した人)


 コロナ禍で落ち込んだ人出が回復した現在、ススキノの路上駐輪は大きな問題となっています。

 「ススキノ地区では駐輪場が不足していて自転車が路上に止まっているのが現状。なかなか駐輪場を整備するための土地の確保が難しいという課題がある」(伯谷 課長)

 ススキノを放置禁止区域に指定するためには、駐輪場の整備が欠かせませんが、そのめどはたっていません。

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