自衛隊発足70周年となる2024年の防衛白書が12日、閣議報告された。今年の防衛白書は通算で50冊目。表紙には「刀鍛治」のイラストを使っていて、「刀を抜かないために」抑止力となる刀を鍛え上げるという意味だとしている。

白書で、中国の動向については、沖縄県の尖閣諸島周辺の接続水域で昨年、中国海警局の船が確認された日数は352日、船舶の数は1282隻となり、いずれも過去最多を更新したことを明記し、台湾周辺の状況について「中国側の軍事活動の活発化により、中台間の軍事的緊張が高まる可能性も否定できない状況となっている」と懸念を示した。

北朝鮮については、昨年、アメリカ全土を含む1万5000㎞超を射程とした可能性のある固体燃料式の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星18」を4月、7月、12月と3回発射したことや、軍事偵察衛星の打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を利用した発射が3回あり、11月に発射されたものは、打ち上げられた物体の地球周回も確認されているとした上で、「質的な意味での核・ミサイル能力の向上に注力している」と分析している。

また、ロシアが北朝鮮から弾道ミサイルなどを供与され、ウクライナ侵攻に使用したことを明記したほか、日本周辺で中国・ロシア両軍が共同飛行や共同航行を行ったことについて「日本への示威活動を意図したもので安全保障上、重大な懸念」だと指摘した。

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