長野県警の新しい庁舎を巡る動きです。現在、県庁の本庁舎の中に置かれている県警本部。実は、県の本庁舎にいわば入居しているケースは長野県だけで、「独立庁舎」の整備に向けた議論が本格化しようとしています。

地下1階・地上10階建ての県庁本庁舎。このうち、9階と10階は主に「県警本部」が占めています。

(記者リポート)
「県警本部が入る県庁本庁舎。実は、警察本部が県庁本庁舎に置かれているのは全国でも長野だけです」

NBSが各道府県の警察本部庁舎を調べたところ、多くは独立していましたが、長野、埼玉、山梨、静岡、奈良、広島、大分の7県は、県庁舎の一部に置かれています。

長野以外の6県は他の部局と一緒ですが、分庁舎や別館にあり主に本庁舎の中というのは長野だけ。独立庁舎設置は長く県の課題となってきました。

長野県・阿部守一知事:
「警察本部は別庁舎(独立庁舎)というところが一般的な状況である中で、警察の皆さんと一緒にこの庁舎を共有、そもそも職員の執務環境としても手狭な状況が続いているという認識は持っている」


実は県警本部も以前は本庁舎とは別棟になっていました。しかし、理由は定かではありませんが、1967年・昭和42年に現在の本庁舎が建設された際、9階と10階に入ったということです。

その後、職員の増加などで本庁舎だけでは足りず、本部の一部は西庁舎や議会棟、県連合婦人会館に分散して置かれています。

このため、県警は狭さの他に、一元的な業務運営、セキュリティーの強化、危機管理の対応などの面で「独立庁舎が望ましい」としてきました。

岡山県警の本部も「分散」していましたが、狭さや機能の集約を理由に2020年、独立の庁舎となっています。

独立庁舎の建設は2023年度スタートの県の5カ年計画に位置付けられこのほど、初めて「候補地」が示されました。

長野県財産活用課・柳澤祐史課長:
「県警の意見を踏まえたうえで、庁舎建設の最適地として、長野合同庁舎北側駐車場周辺を軸に進める」

候補地として県庁周辺の3カ所が挙げられましたが、最適地とされたのが県が所有する合同庁舎北側の駐車場とその周辺です。

用地買収も必要とみられ、費用はこれまでに約150億円という目安が示されています。

長野県財産活用課・柳澤祐史課長:
「規模ですとか、配置につきましては、まさにこれから検討するところ。財源の確保ですとか、庁舎建設の必要性については、丁寧に(県民に)説明していきたい」

県は他の県有施設を含めた「再配置」について有識者会議を設置し、今年度中に「整備方針」を決める方針で、県警庁舎の計画も具体化する見通しです。

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