デジタル庁は3日、マイナンバーカード取得者が年金、子育てなどの手続きをする「マイナポータル」の利用規約を変更すると発表した。消費者団体から消費者契約法違反の疑いがあるとの指摘を受けていた。10日から適用する。

個人情報漏えいなどが起きた際に同庁が負う責任範囲の表現を改め、利用者が裁判を起こす際は東京地裁を指定する規定も削除した。

新たな規約は、法令のような分かりにくい表現を一新。マイナポータルを利用した際の損害について、同庁が賠償責任を負うのは同庁に「故意または重過失」があるケースに限っていたが、「過失」でも消費者契約法に触れるなど一定の条件では損害賠償責任を負うと明記した。アカウント抹消、利用者の代理人登録に関して個別に定めていた免責条項は削除した。

重過失は、わずかに注意していれば悪い結果を避けられたのにそれを怠ったことを示す。利用者が証明するにはハードルが高く、弁護士らでつくる名古屋市のNPO法人「消費者被害防止ネットワーク東海」が2月、デジタル庁に対し規約の修正や削除を申し入れていた。免責範囲が広すぎるため、消費者契約法違反の疑いがあるという。

免責の範囲を巡っては、昨年1月にも「一切の責任を負わない」との規定が誤解を生みかねないとして、規約を改定している。〔共同〕

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