官製談合事件で前の町長が逮捕され、警察による強制捜査も受けた福島県石川町。
事件に揺れる町の舵取り役を決める町長選挙は新人同士の一騎打ちとなった。

6月25日告示された石川町の町長選挙に立候補したのは、届け出順に前の副町長で新人の首藤剛太郎さん(59)、郡山市の会社経営で新人の高橋翔さん(36)の2人。
任期満了は本来、2年後の9月だったが、事態が急変したのは4月末だ。
町長だった塩田金次郎容疑者(76)が官製談合防止法違反などの疑いで逮捕され、その後辞職したことから出直し選挙が行われることに。
争点は「町政への信頼回復」だ。

有権者は「(事件について)やっていることそのものが町民のこと考えてないっていうか。町民のことをよく考えてやってくれる町長さんがいいなと思うんですけど」「分からないところで、何かされても一般町民は分からないからね。正しいことを明るく町民の人が分かるように、動いてもらいたい」と話す。

25日から始まった5日間の選挙戦。
町出身の首藤さんは、第一声で入札の監視体制を強化し、再発防止を図ることを強調した。「この混乱した状態を一刻も早く正常化し、町民の皆様から町政の信頼を回復するために私自身仕事をさせていただけないか」

また、これまで県内で多くの選挙に立候補してきた高橋さんは、第一声で刷新の必要性を訴えた。「我々が今回訴えるのは『脱談合・脱不正』、この部分に焦点を置きます。新しく何かをやる前に、まずはこの足腰、土台をしっかり立て直さねばならないところまで来ました」

有権者数は1万2052人。投開票は6月30日だ。

<入札制度の見直し>
石川町の新しい町長に求められている“入札制度の見直し”。
官製談合事件は、町民の暮らしにも影響を広げていて、具体的な再発防止策が待たれている。

福島テレビ・宮下真結子記者:「石川町の認定こども園です。現在も工事が進められていますが、開園は遅れる見込みです」

石川町の認定こども園は、今年12月から0歳児から5歳児までの約150人が登園する予定だった。
しかし、官製談合事件により町発注の全ての入札がストップし、必要な工事を進められないため開園時期は未定に。町は「来年4月には開園させたい」としている。

そのカギをにぎるのが、第三者委員会だ。
弁護士や大学教授などの有識者で構成される計画で、町は新しい町長のもと7月1日以降に設置。再発防止に向けた対策をまとまるのを待って、入札を再開させる方針だ。

入札をめぐる不正は前の町長が2018年に初当選した直後から繰り返されていたとみられている。
失われた信頼の回復を目指して。町長選挙の開票作業は6月30日の午後8時からで、遅くとも午後9時30分には結果が判明する見通しだ。

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